工藤壮人が語る、代表に呼ばれて出場できない「悔しさと新たな欲求」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 工藤は目を輝かせ、心を躍らせる。

 7月17日、Jリーグで日本代表招集前の最後のゲームだった。1-2と清水エスパルスにリードを許す展開、工藤はアディショナルタイムに奇跡的な同点弾を叩き込んでいる。右後方からクロスを呼び込む予備動作で角度を付け、来たボールを胸で受けて、相手ディフェンダーに触らせないようコントロール。ゴールに背を向けたままシュートコースを無意識にイメージし、右足の巻き込むようなキックでファーサイドにねじ入れた。

 一連の動きは芸術的だった。

 東アジア杯では、その可能性を問われる。岡崎慎司とポジションを争う、右ワイドのアタッカーポジションでの起用が有力だろうが、戦いの中で、戦闘者は居場所を探り当てるものだ。

「FWとして(外国人選手を含めた)ガツンと強く当たってくる対応はできると思います。“潰してやる”みたいな強い矢印を出してくるディフェンダーは全然怖くない。もっと高いレベルでは、存在を消してからさっとボールを取りに来るんだと思いますが」

 戦いへの渇望が、痺れるようなゴールを生むに違いない。

※東アジア杯日程
7月21日 日本×中国
7月25日 日本×オーストラリア
7月28日 韓国×日本
 

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