【日本代表】細貝萌
「自分には自分の良さがある。ヤットさんとは違う」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

細貝萌は、遠藤保仁と長谷部誠という不動のコンビの間に割って入れるか。細貝萌は、遠藤保仁と長谷部誠という不動のコンビの間に割って入れるか。ブラジルW杯まで413日
『ザックジャパンの完成度』
連載◆第16回:細貝 萌

 昨シーズン、ドイツ・ブンデスリーガのアウクスブルクで、ボランチのレギュラーとして奮闘した細貝萌。計32試合に出場し、自身にとっても飛躍の1年だった。だが、レバークーゼンに復帰した今季は、苦しいシーズンを送っている。前半戦こそ、主に左サイドバックとして試合に出ていたが、年が明けた後半戦は、来季のチャンピオンズリーグ出場権をかけて熾烈な上位争いを展開しているチームにありながら、出場数が激減。それも、試合終盤の出場ばかりで、活躍の機会を失っている。

「レバークーゼンに戻ってきたとき、相当なリスクがあるのはわかっていました。でも、自分はアウクスブルクで1年やってきた、という自負があったし、成長していると思っていたので、(レバークーゼンでも)必ずやれると思っていました。実際、アウクスブルクにいたときは、コンディションも良く、試合にも出ていた。そうして成長していけば、代表でも不可欠な選手になれると思っていた。それが、今のように試合に出られていない状況だと、そこまでの選手にはなれないし、代表に呼ばれなくなる可能性も高くなっていく。成長するのもなかなか難しいですけど、そういうリスクがあることもわかって、このクラブに戻ってきたので、失敗したとは思っていない。もちろん、サッカー選手なので、これからはいろいろな状況を考慮していかないといけないけど、今はとにかく試合に出たいし、チャンピオンズリーグの出場権を獲得したい。それだけですね」

 レバークーゼンでの現状と同じように、日本代表でも細貝は、なかなか出場機会に恵まれていない。ザックジャパン発足後、コンスタントに代表入りし、計19試合に出場しているが、そのほとんどが途中出場である。

「(香川)真司は、24歳でマンチェスター・ユナイテッドでも、代表でも主力でやっている。(吉田)麻也も若いし、清武(弘嗣)も23歳じゃないですか。自分は今年で27歳になるんですけど、(代表で)スタメンで出られないでいる。『(自分は)何やってんだ!』って思いますね」

 細貝の表情には、悔しさが浮かぶ。

 とりわけ、昨年10月の欧州遠征は、細貝にとって忘れられない出来事だったという。

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