2013.04.06

【日本代表】内田篤人
「世界を知れば知るほど、日本との差を感じる」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

日本代表、所属クラブで国際経験を積み重ねて、着実に進化している内田篤人。ブラジルW杯まで431日
『ザックジャパンの完成度』
連載◆第15回:内田篤人

 ブラジルW杯アジア最終予選のヨルダン戦、後半26分の内田篤人のプレイは、2点のビハインドから1点差に詰め寄っていた日本の勢いをさらに加速させるものだった。最終ラインから同サイドの清武弘嗣にくさびのパスが入った瞬間、内田は一気に加速。絶妙なタイミングで清武からのスルーパスを受け、敵DFの反則を誘ってPKを奪ったのである。

「清武が右サイドに移ってから(攻撃の)リズムが出始めていたんで、ちょっと前に出て行こうと思っていた矢先だった。(相手の足が)自分の足にはかかっていないけど、(笛を)吹いてくれればラッキーだと思った。ペナルティーエリア内で、あのタイミングでスライディングしてきた相手が悪いと思うんで、まあ、PKなんじゃないかな」

 内田は、淡々とそう振り返った。結局、PK自体は遠藤保仁が外して、日本は1-2で敗れたが、”ここぞ”というポイントをとらえた内田の判断はさすがだった。それは、これまでに培ってきた経験あったからこそ生まれたプレイだった。

 ちょうど4年前の南アフリカW杯アジア最終予選。ずっと主力としてプレイしてきた内田だったが、W杯出場を決める大一番のウズベキスタン戦では、風邪のために出場できなかった。その後、本大会も直前でレギュラーの座を奪われ、W杯のピッチには一度も立つことなく、大会を終えた。

 あれから4年が経過した今、内田はブンデスリーガのシャルケでプレイするようになり、今季はチャンピオンズリーグでも奮闘した。日本代表、そして所属クラブで数多くの国際経験を重ね、当時とは比較にならないほどのプレイヤーに成長した。

「確かに(今の自分は)4年前とは違うね。今回のヨルダン戦も、W杯出場が決まるという試合だから、みんな、すごく注目しているのはわかるけど、自分にとっては、ヨルダンで1試合やるっていうだけのこと。そういうふうに思えるようになったのは、大きいと思うよ。変な話、今回と同じぐらいの大事な試合は、これまでに何試合もしてきているからね」