【日本代表】内田篤人「世界を知れば知るほど、日本との差を感じる」 (2ページ目)
ヨルダンに勝っていれば、前回同様、W杯出場を世界最速で決められた。それは、ある意味、アジアで突出した存在になりつつあることを示している。そのアジアでの日本の立ち位置を、内田はどう捉えているのだろうか。
「前回のW杯予選は、勝ったり負けたりして(予選を突破するのは)ギリギリかなって感じだったけど、今は2位に大差をつけて、アジアでW杯出場を最も早く決める試合をやれるようになった。それは、進歩している証拠でしょ。アジアカップで優勝して、世界相手にも、トップではないけど、いやらしいゲームをしてくるチームとたくさん試合をしてきた。そういう積み重ねがあって、韓国に対してとか、アジアでは普通に勝てるようになってきた。だから、アジアの中では、成長してきたなかなって思うけど......、世界との差はまだあるなって思っている」
昨年、日本は欧州遠征でフランス、ブラジルと戦った。世界における日本の現状の力を推し量る試合で、内田は何を感じたのだろうか。
「ぶっちゃけ言うと、(南アフリカW杯以降)日本が世界レベルのチームとやったのは、あの2試合だけ。あとは、そんなに強いところとはやってないじゃないですか。だから、日本の本当の力が(世界の中で)どのくらいか、正直わからない。確かにフランスには勝ったけれども、前半の(CKからドンピシャで打たれた)ヘディングシュートとか、フランスが何度かあったチャンスを先に決めていたら、(日本は)結構ボコボコにやられていたと思う。また、(所属クラブで)チャンピオンズリーグで戦ったりしていると、W杯に出場できない国の選手でもうまいやつがたくさんいるし、こいつが代表にも入れないのかよっていう選手がすごくいるんだよね。シャルケにだって、ブラジル人のバストスとか、スペイン人のヒメネスとか、めちゃくちゃうまい選手がいる。そういう選手が、代表にかすりもしない。そんな世界を感じれば、感じるほど、日本と世界の差はあるなって思うし、日本はもっと強くならないといけないなって思う」
世界には代表に入れなくても、能力のある選手がゴロゴロしている。それを日頃から目の当たりにしている内田は、日本と世界との差を事あるごとに痛感。代表チームの完成度については、まだまだ不満を感じている。日本代表にも海外組が増え、ビッククラブに所属する香川真司や長友佑都のような選手も出てきたが、その層は決して厚くない。実際、本田圭佑と長友という戦力を欠いたヨルダン戦で、日本は敗れた。内田は、特定の選手の有無によって力が落ちる、日本の現状を危惧しているのだ。
「ヨルダン戦に負けたのは、本田さんや長友さんがいないせいだって言われても仕方ないよね。負けたら(周りの評価も)そうなるでしょ。それが(敗戦の)理由なら話は楽だろうしね。基本的にチームは、誰か違う選手が入っても、少し特徴が変わるだけで、約束事は変わらない。けど、ゲームの流れの中で、本田さん、長友さんがいたら、どういう感じになっていたかな、というのはあった。そこは、誰が出ても、常に結果を出せるようにしていかないと。そういう力がないと、本当に力があるとは言えないからね」
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