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【なでしこ】澤や宮間が躍動。
選手たちがプレイで伝えた被災地復興への想い (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko

マッチアップする川澄奈穂美と田中陽子。ヤングなでしこにとっては貴重な経験の場となったマッチアップする川澄奈穂美と田中陽子。ヤングなでしこにとっては貴重な経験の場となった 元気いっぱいのヤングなでしこにボールを回させておき、決めるところでしっかりと、鮮やかにゴールを奪って貫禄を見せつけたなでしこジャパン。

 そんなプレイに間近で接したヤングなでしこの猶本光は、「技術もスピードも世界レベルだなって思いました。スピードでぶっちぎられました(苦笑)。球際の速さと強さはちょっと(私たちとは)違う。でも、いい経験だったし、楽しめました」とあらためて、なでしこジャパンの実力とレベルを自分の肌で感じ取っていた。

 しかし、なでしこを率いた佐々木則夫監督の目はそんな若い力に注がれていたようだ。「若い選手はがんばっていましたね。そうはいかんという澤の一撃でグシャッとなりましたが(笑)」とヤングなでしこたちの健闘を称えた。指揮官はこの前半45分のピッチ上に、来年2月に行なわれる若手発掘のためのなでしこ合宿の青写真を描いていたのかもしれない。

 後半になると今度はなでしこ&ヤングなでしこの混合チーム・『SAWAandFriends』と男子代表OBチームとの対決。年齢を重ねたとはいえ、やはりそこは男子代表で世界と戦ってきたスター選手。『SAWAandFriends』は大儀見優季のヘッドで先制するも、巧みな技を披露しながら観客を盛り上げる男子OBチームが、北澤、前園真聖のゴールで逆転し、試合をモノにした。

 総勢53名の選手による夢の対決の会場に招待された被災地の子どもたちも声援を送り、試合の合間には、選手たちが子どもたちにサインをして握手に応じるサプライズもあり、子どもたちは興奮して大喜び。忘れられない時間になったことは間違いない。

 この日、ピッチに立った選手の中にも、被災地でプレイしている選手がいる。ゴールを挙げた鮫島もそのひとりだ。「表向きは復興が進んでいるように見えても、まだまだ時間のかかる地域もたくさんある。今日は本当にたくさんの方に来ていただいて、これが少しでも被災地の復興につながってくれればうれしいです」と、想いを語った。

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