【日本代表】ザッケローニ監督は選手の能力を本当に把握しているのか (3ページ目)

  • photo by Yamazoe Toshio

――先発メンバーも交代選手も決まっているということは、かなりの閉塞感を感じます。だから最近、ザックジャパンの試合を見ていて「物足りない」と思ってしまうのかもしれません。

浅田 選手交代も含めて、すべての選手起用が適材適所というより、ヒエラルキーに基づいて行なわれている感じがするからね。岡崎(慎司)がいないから、岡崎的な選手を代わりに入れるんじゃなくて、2列目の選手の中で次の順位は清武(弘嗣)だから清武を入れるという具合に。

杉山 その次が、今は乾(貴士)なんじゃないかな。

浅田 例えば、香川(真司)の代わりは清武でもいいけど、岡崎の代わりを清武にしてしまうと、ブラジル戦なんてまさにそうだったけど、2列目の3人がみんな中央に入ってきてしまう。そうした選手起用を見ていると、ザッケローニ監督は、本当に選手の特性を見ているんだろうか? と勘ぐりたくなる。

渡辺 とにかく、いろいろな選手をもっと試してほしいよね。そうすることで、チームの可能性が広がるわけだから。

――守備面についても、少し聞かせてください。最近話題にならなくなりましたが、世界を相手にしたとき、センターバックの今野泰幸選手の“高さ”は心配しなくてもいいのでしょうか。

渡辺 高さは、今野だけの問題じゃない。日本全体が抱えていること。

浅田 今野に高さはないけれども、それ以上に、むしろ今野を使うメリットのほうが大きいと思う。

杉山
 オマーン戦の先制点のときも、今野はスルスルと上がっていって長友(佑都)にいいパスを出したけど、彼が攻撃面で果たしている役割は大きい。もともとボランチの選手で、遠藤(保仁)の代わりにもなるような選手だと思うよ。

――本田選手や遠藤選手が不在になったらどうするのか、というテーマがよく話題になりますが、今野選手も同様に貴重な存在というわけですね。

杉山 今野が、ザックジャパンでは一番キーになる選手だと思う。今野の代えは利かないよ。

浅田 あれだけボールをさばける日本人のセンターバックって、あまりいないから。過去の日本代表と比較しても、今の日本代表の強みはセンターバック。そこから中盤にいいボールが入れられる。

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