2012.11.30

【なでしこ】
競争相手は世界のトップ。大型FW大滝麻未が着実に成長中

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • photo by Getty Images

素顔の撫子 vol.27
大学卒業後、欧州女王のリヨン(フランス)に入団した大滝麻未。
 11月25日に大宮のNACK5スタジアムで行なわれた「国際女子サッカークラブ選手権2012」決勝戦は、延長戦も含めた110分間の激闘の末に、オリンピック・リヨンがINAC神戸レオネッサを2-1で下し、初代チャンピオンの座に輝いた。

 今大会でリヨンの一員として凱旋帰国を果たした大滝麻未は、日テレ・ベレーザ戦で後半から途中出場。決勝では出番がなかったものの、「世界最強女子クラブ」の一員として、優勝の歓喜の輪に加わった。

 フランスでのこの半年間は、彼女にどんな変化や成長をもたらしたのだろうか。リヨン入団から現在までの半年間の挑戦と、その素顔に迫った。


■大学卒業後、いきなり欧州の舞台へ

 兄の影響で小学校1年からサッカーを始めた大滝は、中学・高校と地元の強豪クラブチーム・横須賀シーガルズでプレイし、早稲田大学に進学。関東大学女子サッカーリーグで2度の得点王(2008年、2010年)を獲得するなど頭角を現した。

 2011年のユニバーシアードでは、6試合8ゴールの活躍で得点王になり、日本の準優勝に貢献。このユニバーシアードで、日本は予選と準決勝で2度フランスと対戦したが、大滝はその2試合で2ゴールずつ、計4ゴールを挙げている。まさにフランスキラーとも言えるこの活躍が、当時のユニバーシアードフランス代表コーチの目に留まった。その人物がリヨン女子のトップチームのアシスタントコーチを兼任していたこともあり、センターフォワードを探していたリヨンの補強候補として大滝に白羽の矢が立ったのだ。
 
 そして、2012年1月に行なわれたトライアウトに招待された大滝は、そのままリヨンへの入団が決まった。本人は入団時に行なわれたこのトライアウトについて「自信はなかったんです」と振り返る。

 それでも、「トライアウトの時から積極的にほかの選手に話しかけたり、チームに溶け込んでいたのが良かったみたいです」と大滝が話すように、パトリス・レール監督はしっかりと彼女の特性を見抜き、評価をしていた。「小さいころから人見知りしない性格だった」という大滝のコミュニケーション能力の高さも、入団のきっかけになったのだ。