【なでしこ】注目の次世代が奮闘。
高瀬愛実、永里亜紗乃、田中陽子、猶本光ら若手の可能性 (2ページ目)
試合はINACが川澄奈穂美と中島依美のゴールでダメ押し。宿敵であるベレーザを4-0と完勝で下し、2年連続での無敗優勝を達成した。
得点王争いを演じた高瀬や永里は、なでしこジャパンとしての経験もあるが、実力を発揮しきれず悔しい想いもしてきた。高瀬はU-20女子W杯ドイツ大会での活躍を買われてなでしこジャパン入りするも、高度なシステムへの適応に戸惑ってスランプに陥り、流した悔し涙も1度や2度ではない。2011年ドイツW杯優勝、今年のロンドン五輪銀メダル獲得のメンバーに入っていても、自分の力不足を痛感し続ける日々を送ってきた。そのすべてのうっぷんが今季の開花につながっている。
永里は高瀬のひとつ上の世代のU-20女子W杯チリ大会組。相手を置き去りにするターンからの攻撃は抜群だ。ロンドン五輪予選では唯一、ドイツW杯メンバー以外から抜擢された。姉である大儀見優季とはまた違ったタイプのFWで、ベレーザにとっては頼もしい得点源として今季大ブレイクした。
また、なでしこリーグという舞台で新たな可能性を示している選手たちもいる。この最終戦で、ラスト10分ながらピッチに送り出されたINACの田中陽子もそのひとり。より高いレベルでプレイしたいと、今季からスター軍団INACに飛び込んだ19歳。
この夏日本で開催されたU-20女子W杯での活躍で脚光を浴びるも、新人である田中がINACで先発できたのはわずか一戦。それでも、与えられた時間で持ち前の鋭いドリブルや、前線へのキラーパスなど懸命のアピールを繰り返した。
「U-20で注目されたことはうれしいし、本当に力になった。だけど、それはそれ。今はINACという厳しい環境で自分を伸ばすことしか考えてないです。簡単でないことは承知のうえで、INACを選んだんですから」と、自分の立ち位置もしっかりと見極めている。なでしこジャパンの一員となるには、まだ研鑽が必要ではあるが、光る原石であることは間違いない。
同時に浦和レッズレディースの猶本光も同じく今年のU-20女子W杯で注目された逸材だ。彼女はまだ18歳。もう一度U-20世代として世界で戦うことができるが、「あくまでも目標はなでしこジャパンです。でも、今はまだまだです」と語る。
リーグ終盤のINACとの戦いでは中盤で澤、川澄、大野というなでしこジャパンが形成するトライアングルにもまれ、何もさせてもらえなかった。「特に大野さんの一瞬のスピードについていけなかった......」とトップクラスとの力の差を感じていた。ここからの積み上げが勝負だ。
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