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【日本代表】木村和司が申す「ザックはポジションを固定しすぎ」 (2ページ目)

  • photo by Fujita Masato

 その準備試合として、8月15日にはベネズエラと対戦した。結果は1-1の引き分けに終わったが、内容的には悪くなかったと思うよ。欧州組はシーズンが開幕したばかりだったり、その直前だったりして、個々のコンディションにばらつきがあったものの、落ち着いてボールをつないでチャンスを作っていたからな。

 攻撃に関しては、ある程度固定されたメンバーで、選手ひとりひとりがチームとしてやるべきことがわかっているのが大きい。選手たちはそれぞれの特徴もよく把握しているから、よりスムーズな組み立てができるようになってきた。相手のプレッシャーに対しても慌てることなく、きちんとポゼッションしていて、チームとして力がついてきているな、進歩しているな、というのを感じたよ。

 あとは、決めるべきところをどう決めるか。選手個人の力に頼る部分もあるけど、チームとしても、グループとしても、多くのアイデアを持つことが大事だろうな。

 そのためにも、2列目の3人と1トップの4人は、もっともっと自由にプレイしてもいいと思う。例えば、中盤の真ん中の本田圭佑と左サイドの香川真司なんかは、自分のポジションにこだわらず、前後、左右にと、いろいろなバリエーションを持った関係を築けばいい。まだ互いに気を使っているような動きも見られるから、そんな意識も取っ払って、それぞれのよさをうまく生かし合っていけばいいんじゃないか。

 自分たちの意思でポジションチェンジを繰り返すことで、相手のマークもずれるだろうし、敵の守備ブロックにもギャップが生まれる。そんなふうにして、前線の4人が自由に動いて決定機を生み出していけば、どこからでも点が取れるような状況ができると思う。ベネズエラ戦では遠藤保仁が得点を決めたけれども、ああやってさらにボランチやサイドの選手までゴール前で絡んでくれば、相手にとってはかなりの脅威だよ。

 でも、今の代表はわりと自分のポジションで忠実に仕事をさせることが多い。監督に何かしらこだわりがあるんだろうな。

 同じようなことで言えば、選手のポジションも固定しすぎている感じがする。香川あたりは、マンチェスター・ユナイテッドでもやっているトップ下でのプレイを見てみたい。本田がケガで不在の際にも、ほとんど試していないけど、その理由がようわからんな。

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