【なでしこジャパン】因縁の相手アメリカとの決勝でカギを握るのは? (2ページ目)

  • 了戒美子●文 photo by Ryokai Yoshiko
  • photo by Hayakusa Noriko/JMPA

 そして、大舞台でのアメリカ戦といえば昨年のW杯決勝だ。やはり個の能力では圧倒的な差を見せつけられたが、それでも今度はなでしこが戦い方を身につけていた。まずはハードワークをしてボールを奪い取り、パスワークでかわす。そしてひたすらに耐える。120分間、小さな彼女たちが走り切る姿は感涙ものだった。

 アメリカのエース、ワンバックは日本との決勝を前に、「昨年、決勝で敗れてからずっと望んできたこと」と言う。アメリカ代表にとっても意味のあるリベンジマッチなのだ。

 今回の決勝戦はそんな物語の延長戦上にある。なでしこもアメリカも主力メンバーに大きな変更はない。数人のベンチメンバーが先発になった程度の変化だ。戦い方もそう大きくは変わらないはずだ。

 ポイントとなるのは、まずは守備だろう。アメリカといえば高さとパワー、ワンバックに注目が集まりがちではあるが、コンビを組むモーガンのスピードに、日本は翻弄されることが多い。自在に動きまわる彼女をどこで食い止めるかが重要になる。イライラさせるような粘りの守備ができるか。それだけの体力が5戦を戦った今でも残っているか。

 日本がブラジル戦、フランス戦で見せたのは、奪いにいくというよりも、引いたところで待ち受ける守備だった。だがそれだけではこの2トップを食い止めるのは厳しい。もう一度なでしこらしい、攻撃的な守備を展開してほしい。

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