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【五輪代表】新戦力、躍動! オランダを手玉にとった3人の「仕掛け人」 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 途中出場したトルコ戦を含め、今大会は齋藤の果敢な仕掛けが目立つ。齋藤自身、「自分の間合いで仕掛けられている」と手応えを感じており、ヨーロッパ勢を相手にしても臆することなく、こう言い放つ。

「もっともっと(ドリブルを)出せると思うし、オランダ相手でも普通に戦えた。もともと僕は(体が)小さい選手なので、大きい相手でも苦には思わないから」

 そして宇佐美が、「(齋藤)学くんの単独(ドリブル)だったが、ああいう形で追いついて、だいぶ楽になった」と語ったように、この同点ゴールをきっかけに、2列目の3人はこの試合で初めて一緒にピッチに立ったとは思えないほど、絶妙のコンビネーションを見せ始める。宇佐美が続ける。

「(ポジションを)固定してボールに触れないよりは、真ん中へ行ったり、左へ行ったりして、どんどん(ボールに)触っていくほうが自分もリズムが生まれやすい。他のみんなも"触ってなんぼ"の選手だったんで」

 そんな2列目の流動性をリードしたのは、ユトレヒトでプレイし、相手のオランダをよく知る高木だった。

「オランダがマンツーマンでやってくるのは、僕の中ではわかっていたので、グルグル動かれたら嫌だろうな、と。意図的に3人で作った形だった」

 高木がしてやったりとばかりに、「思った通りにできた。ホント、うまくハマった」と笑顔を見せれば、齋藤もまた、「初めてやったにしてはいいコンビネーションでできたと思うし、3点取れたのは大きかった」と振り返る。

 だが、絶妙なコンビネーションを実現できたのは、互いの呼吸だけの問題ではない。第一に、彼らひとりひとりが落ちついてボールを前に運ぼうとしていたからである。高木は「もっとペナルティエリアに進入して、相手に脅威を与えたかった」と言いつつも、「当たり負けもしなかったし、(プレイの)判断もうまくできていたと思う」と、その手応えを口にする。

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