【五輪代表】新戦力、躍動! オランダを手玉にとった3人の「仕掛け人」

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

切れのあるドリブルから同点ゴールを奪った齋藤(左)が、日本の攻撃に火をつけた。切れのあるドリブルから同点ゴールを奪った齋藤(左)が、日本の攻撃に火をつけた。 一昨秋のアジア大会以来、このチームの試合をいくつも見てきたが、これほど痛快な試合はあまり記憶にない。

 トゥーロン国際トーナメントのグループリーグ第2戦で、日本がオランダに3-2と競り勝った。

 日本の煮え切らない攻撃を歯がゆい思いで見るしかなかった初戦のトルコ戦から2日、この日の日本は、オランダと真っ向から打ち合った。点の取り合いという試合展開もさることながら、何より日本の選手たちが落ち着いてボールを扱い、堂々とプレイしていたことが、痛快な試合となった最大の要因である。

 そんな堂々たる戦いぶりの牽引役となっていたのが、4-2-3-1の2列目に入った、宇佐美貴史、高木善朗、齋藤学の3人である。

 まず、先陣を切ったのは齋藤だった。

 開始3分でオランダに先制点を許し、トルコ戦からの悪い流れを引きずりかねなかったこの試合。失点からわずか2分後の5分、齋藤は左サイドからドリブルで切れ込み、ゴール正面からあっという間の同点ゴールを決めて見せた。殊勲のドリブラーが振り返る。

「早い時間の失点でチームとして少し慌てたというか、このままだとズルズル行きそうな感じがあった。いい時間に取れたと思う」

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