【ドラフト2026】リーグ連覇の阪神が次に狙うべき逸材は? 織田翔希から第2の近本光司、坂本誠志郎の後継者まで (4ページ目)
【坂本誠志郎直系の頭脳派捕手】
そして今年は、坂本誠志郎の後継として期待できる、ヘッドワークに長けた捕手がいる。福原聖矢(東海大菅生→明治大/捕手/167センチ・74キロ/右投右打)だ。
坂本にとっては明治大の後輩にあたり、まさに「直系」の後継候補と言っていい。小柄ではあるが、捕手として非常に高い感性を持ち、ディフェンス能力でメシを食っていけるだけの資質を備えている。
名門・明治大では主将の重責を担い、以前はやや非力に感じられた打撃にも、実戦のなかでインパクトの力強さが見えてきた。
二塁送球タイムが何秒、遠投が何メートルといった数字だけでは、捕手の能力は測れない。投手の持ち味を引き出し、打者の狙いを読み、試合の流れをつくっていく。そうした「ゲームメーカー」タイプの捕手は、なかなか出てこないものだ。坂本という格好のお手本がいる今の阪神だからこそ、ぜひとも獲得を考えてほしい選手である。
最後に、「大きなお世話だ!」と叱られてしまうかもしれないが、書き手としての率直な印象をひとつ。
今の阪神は、実に洗練されたチームになった。技術も高く、試合運びもうまい。だからこそ、あえて言わせてもらえば、ユニフォームを泥だらけにして、なりふり構わず体当たりでプレーするような、泥くさいタイプの選手がもう少しいても面白いのではないか。ムードメーカーというか、たったワンプレーで試合の雰囲気を一変させてくれるような存在だ。そんなガムシャラな野球ができる、うってつけの「ガッツマン」がいる。
今津慶介(旭川東→慶應義塾大/二塁手/180センチ・80キロ/右投左打)と、小原大和(花巻東→慶應義塾大/外野手/174センチ・76キロ/右投左打)だ。
たまたま、どちらも「慶應ボーイ」になったが、一般的に抱かれるスマートなイメージとは正反対。火の出るような闘志を前面に押し出す、根っからのガッツマンだ。
もちろん、気持ちだけで野球をしているわけではない。たしかなバットコントロールに加え、振って、振って、振り抜いて鍛え上げたスイングには、十分なパンチ力がある。守備でも、打球に対して身を挺して向かっていく。そのひたむきな姿勢は、きっとチームメイトの胸を強く打つことだろう。
今の阪神に足りないものを探すのは、簡単ではない。それほどまでに戦力が充実している。だからこそ、目先の弱点を埋めるだけでなく、将来のエース、4番打者、リードオフマン、守備の要となる遊撃手、坂本の後を継ぐ捕手、そしてチームに新たな活力をもたらす選手を、今のうちから揃えておきたい。
著者プロフィール
安倍昌彦 (あべ・まさひこ)
1955年、宮城県生まれ。早稲田大学高等学院野球部から、早稲田大学でも野球部に所属。雑誌『野球小僧』で「流しのブルペンキャッチャー」としてドラフト候補投手のボールを受ける活動を始める。著書に『スカウト』(日刊スポーツ出版社)『流しのブルペンキャッチャーの旅』(白夜書房)『若者が育つということ 監督と大学野球』(日刊スポーツ出版社)など。
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