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【プロ野球】ヤクルト再建を託された先発陣 吉村貢司郎と奥川恭伸が挑む143イニングの壁

  • 島村誠也●文 text by Seiya Shimamura

エースをねらえ! ヤクルト再建を託された4人の投手(前編)

 ヤクルトは池山隆寛新監督のもと、新シーズンをスタートさせた。チーム刷新の原動力として期待されているのが、先発投手陣だ。3年連続でチーム防御率がリーグ最下位という厳しい現実はあるものの、先発ローテーション候補の顔ぶれを見れば、その若さとポテンシャルに大きな可能性を感じさせる。

 沖縄・浦添での春季キャンプ。エース候補として期待される右腕の吉村貢司郎と奥川恭伸、左腕の高橋奎二、山野太一の4人に話を聞いた。

初の開幕投手に指名されたヤクルト・吉村貢司郎 photo by Yoshihiro Koike初の開幕投手に指名されたヤクルト・吉村貢司郎 photo by Yoshihiro Koikeこの記事に関連する写真を見る

【初の開幕投手に指名された吉村貢司郎】

 吉村の今季のテーマは「真っすぐと再現性」だ。オフにはジャンプ系などの瞬発力に重きを置いたトレーニングを大幅に増やし、体つきもひと回り大きくなった。昨季の最速は152キロ。

「ボールをもっと強くしていかないとダメですし、真っすぐをしっかり投げて、空振りやファウルをとって、その再現性を高める。それを1年間つづけることが大事ですし、そうなればもっとうまくいくと思っています」

 昨年までのプロ3年間の通算成績は、21勝16敗。昨年は9、10月に4試合に登板して4勝0敗、防御率1.61と好成績を残し、自身2度目の月間MVPを受賞。2024年に9勝、25年は8勝を挙げ、2年連続でチーム最多勝を記録。先発陣の「エース格」と言える存在になった。

「まだまだ満足できてないですし、もっと成長していかないといけない。エースと呼ばれるには、信頼と信用を勝ち取ることが必要です。そこにしっかり名乗りを上げ、責任と強い意志を持って取り組んでいきたいです」

 吉村といえば、左足で反動をつけて投げる「振り子投法」が代名詞だったが、2024年シーズン途中にこれを封印。今キャンプでは、その動きをコンパクトにした"小さな振り子投法"へとモデルチェンジしている。

「どうすればタイミングが合うのか、いろいろ考えながら、多少の変化も恐れずに取り組んだ結果、今の形になりました。自分は常にいいものをチョイスしていくので、いいと思ったことは積極的に取り入れていこうと思っています」

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著者プロフィール

  • 島村誠也

    島村誠也 (しまむら・せいや)

    1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。

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