【WBC】初球スイーパーに込められた大谷翔平の真意 中村悠平が3年越しに知った真実「オレ、試されていたんだ...」 (3ページ目)
【初球のストレートのサインに首を振ったワケ】
しかし、大谷の真意は少し違っていた。「大丈夫ですよねー」は「僕の球、捕れますかー」ではなかった。
中村は9回表、先頭バッターのジェフ・マクニールへの初球、ストレートを要求した。しかし大谷が首を振る。そしてスライダーのサインに頷いた。この瞬間、中村はこう考えた。
「先頭バッターの初球ですから、まずは真っすぐでいこうと思いました。先頭を切りたかったので、先頭を出してしまうとややこしくなりますから、バットに当てさせたかったという意図がありました。でも、首を振ってスライダーだったということは、スライダーに自信があるんだろうと思いました。事前にメジャーでもスライダーの率のほうが高いというのは聞いていましたからね」
ところが、このサインに首を振った大谷の意図は思いも寄らないところにあったのである。大谷がこう明かした。
「いや、今、思えば中村さんに失礼だったと思うんですけど、あの時のスイーパーは、僕の一番いい球だったんです。日本には90マイルで大きく曲がるスイーパーを投げるピッチャーがいないと聞いていたので、単純に、中村さんが捕れるかなというのを確認したくて......(笑)」
だから「スイーパー、捕れますよ」がネタになるのだ。そのネタの"ココロ"が昨年末、雑誌のインタビューに掲載され、この大谷の言葉をいろんな人から聞かされた中村は仰天する。
「そうか、オレ、試されてたんだ......(笑)」
しかも、ネタはこれだけでは終わらない──。
著者プロフィール
石田雄太 (いしだゆうた)
1964年生まれ、愛知県出身。青山学院大卒業後、NHKに入局し、「サンデースポーツ」などのディレクターを努める。1992年にNHKを退職し独立。『Number』『web Sportiva』を中心とした執筆活動とともに、スポーツ番組の構成・演出も行なっている。『桑田真澄 ピッチャーズバイブル』(集英社)『イチローイズム』(集英社)『大谷翔平 野球翔年Ⅰ日本編 2013-2018』(文藝春秋)など著者多数。
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