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【WBC 2026】ダルビッシュが明かした松本裕樹の「MLBでの希少価値」 「ユニーク」と大絶賛 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

 近年、VAAという観点が注目されている。「Vertical Approach Angle」の略で、投球がホームベースを通過する際の入射角度だ。高いリリースポイントから投げ下ろして角度をつければマイナス、逆に低めから高めに投げればプラスになる。この値が「水平=ゼロ」に近いと、空振りやフライに打ち取りやすいというデータが出ているのだ。

 松本が打ちにくいのは、183センチの長身投手が低いリリースポイントから最速159キロのストレートを投げ込んでいくことにある。

「そうしようと思ってやっていたわけではないですけど。そういう特徴があると頭に入れながら、それを伸ばしていけたらなと思います」

 ダルビッシュにも指摘された松本の持ち味は、意図せずに獲得したものだという。

【平良、石井の辞退で高まる重要性】

 平均から外れるということは、投手にとって打たれにくさを生む重要な要素だ。投球の軌道を予測してスイングする打者にとって、想定外を生みやすい。

 14年ぶりの世界一奪還を果たした前回、吉井理人投手コーチ(当時)はそうした球質を持つ投手を選考したと明かしている。今永はまさにVAAに特徴のある投手だ。

 今回の日本代表で言えば、松本に加えて石井大智(阪神)や平良海馬(西武)も低いリリースポイントから投じる速いストレートを武器に持つ。だが、残念ながら石井と平良は所属チームの春季キャンプでアクシデントに見舞われ、出場辞退となった。そうした事態もあり、松本の重要性は必然的に高まっている。

「(ふたりが)辞退したからといって、僕が長いイニングを投げたり、何連投もすることはないだろうし、(起用法は)そんなに変わらないと思います。自分の状態を上げて、任されたところをしっかり抑えられたらと思います」

 託された1イニングをいかに封じるか。当初発表された日本代表メンバーで、所属チームで中継ぎを本職とする投手は5人だった。それが石井と平良の離脱により、ブルペンのスペシャリストとして控えるのは松井裕樹(パドレス)、大勢(巨人)、藤平尚真(楽天)、そして松本の4人だ(日本ハムの北山亘基も入団1年目はリリーフ)。とくに、ダルビッシュがユニークな投手と語る松本はカギを握るだろう。

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