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【プロ野球】レギュラー争いでは終わらない 広島・佐々木泰が見据える「チームを背負う覚悟」 (3ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun

 記者の記憶に残っているのは、デビュー戦となった5月20日のヤクルト戦。勝ち越した直後の一死二、三塁で迎えたプロ3打席目にランバートの前に空振り三振を喫した直後だった。天を仰ぎながら一瞬、やや表情が緩んだのが見えた。数日後、本人に理由を聞いてみた。

「悔しかったのは、もちろんありました。ああいうチャンスの場面で打席に立てていたのもあるかもしれませんが、チャンスでフライアウトや凡退はあっても、三振は少なかったので......一軍のレベルを痛感したというのがありました」

 一軍に昇格するまで、二軍では得点圏で巡ってきた打席は10度あり、8打数4安打で打率.500。三振は一度もなかった。狙い球が外れたわけでも、照れ隠しの笑みでもない。ただ純粋に、高いレベルに身を置く自分自身への高ぶりだった。

 心なしか、春季キャンプに臨む佐々木からも、あの日と同じような高揚感が感じられる。ここから、チームを背負う者になるための戦いが始まる。

著者プロフィール

  • 前原 淳

    前原 淳 (まえはら・じゅん)

    1980年7月20日、福岡県生まれ。東福岡高から九州産業大卒業後、都内の編集プロダクションへて、07年広島県のスポーツ雑誌社に入社。広島東洋カープを中心に取材活動を行い、14年からフリーとなる。15年シーズンから日刊スポーツ・広島担当として広島東洋カープを取材。球団25年ぶり優勝から3連覇、黒田博樹の日米通算200勝や新井貴浩の2000安打を現場で取材した。雑誌社を含め、広島取材歴17年目も、常に新たな視点を心がけて足を使って情報を集める。トップアスリートが魅せる技や一瞬のひらめき、心の機微に迫り、グラウンドのリアルを追い求める

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