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潮崎哲也が語る「魔球・シンカー」誕生の瞬間 カーブと反対の発想で投げてみたら人生が変わった (4ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki

「自分ではシンカーを覚えることによって真っすぐも速くなったし、スライダーもよくなったと思っています。シンカーを覚えて、打たれないっていうなかで投げる真っすぐと、打たれるかもしれないっていうなかで投げる真っすぐとで、違ってくるのかなと。そのあたり、鶏が先か、卵が先か、みたいなもので、よくわかってないところはありますが」

 翌89年の都市対抗。潮崎は1回戦からロングリリーフで起用され、プリンスホテルとの準決勝では3回から延長12回まで無失点に抑える好投。13回に一死満塁とされて交代後、決勝点を奪われて敗退した。勝ったプリンスは同大会で初優勝するのだが、監督の石山建一は試合後、「潮崎くんのデキがよく、打てる気がしなかった」とコメントしている。

 この年も日本代表に選ばれた潮崎は、インタコンチネンタルカップなどの国際大会で活躍。1位指名で野茂に8球団が競合した11月のドラフトにおいて、西武から単独1位指名を受けた。憧れの人、鹿取の西武移籍が決まったのはその10日後のことだった。

つづく>>

(文中敬称略)


潮崎哲也(しおざき・てつや)/1968年11月26日生まれ。徳島県出身。鳴門高から松下電器に進むと才能が開花。19歳で全日本入りを果たし、野茂英雄や与田剛らとともにソウルオリンピックに出場。89年のドラフトで西武から1位指名を受け入団。魔球と称されたシンカーを武器におもにリリーフとして活躍し、西武黄金期を支えた。2004年限りで現役を引退。引退後は西武の球団編成、コーチ、二軍監督などを歴任し、現在はシニアアドバイザーとしてチームを陰で支えている

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内容

はじめに

第一章 高校・大学・アメリカ留学編 1971〜1978年

伝説のはじまり/遠い聖地/怪物覚醒/甲子園デビュー/魂のエース・佃正樹の生涯/不協和音/最強の控え投手/江川からホームランを打った男/雨中の死闘/江川に勝った男/神宮デビュー/理不尽なしごき/黄金時代到来/有終の美/空白の一日

第二章 プロ野球編 1979〜1987年

証言者:新浦壽夫/髙代延博/掛布雅之/遠藤一彦/豊田誠佑/広岡達朗/中尾孝義/小早川毅彦/中畑清/西本聖/江夏豊

おわりに

著者プロフィール

  • 高橋安幸

    高橋安幸 (たかはし・やすゆき)

    1965年、新潟県生まれ。 ベースボールライター。 日本大学芸術学部卒業。 出版社勤務を経てフリーランスとなり、雑誌「野球小僧」(現「野球太郎」)の創刊に参加。 主に昭和から平成にかけてのプロ野球をテーマとして精力的に取材・執筆する。 著書に『増補改訂版 伝説のプロ野球選手に会いに行く 球界黎明期編』(廣済堂文庫)、『根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男』(集英社文庫)など

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