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【プロ野球】なぜサトテルの守備は向上したのか? 名手・荒木雅博が佐藤輝明のGG賞初受賞の理由を語る (4ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── ライバルたちはどうでしたか。

荒木 昨年ブレークし、アクロバティックな守備に堅実さも加わってきた矢野雅哉選手(広島)ですが、今季は打撃不振で出場機会が減りました。長岡秀樹選手(ヤクルト)はケガの影響があり、森敬斗選手(DeNA)や門脇誠選手(巨人)は伸び悩みました。球際に強い小幡竜平選手(阪神)も、もう一歩というところでしょうか。

【一歩目の速さが際立っていた外野手は?】

── 外野は、岡林勇希選手が(中日)4年連続4度目、近本光司選手が(阪神)5年連続5度目、森下翔太選手(阪神)が初受賞です。

荒木 セ・リーグの9人の受賞者のうち、「2年連続以上」は岡林選手と近本選手の2人だけです。毎シーズン試合に出続けることがいかに難しいか、そしてそのうえでゴールデングラブ賞を獲得することがどれほど大変かを物語っています。

── 受賞理由はどんなところにあると思いますか。

荒木 岡林選手は346刺殺、近本選手は333刺殺、森下選手は312刺殺と、「捕ってアウトにした数」である刺殺がシーズン143試合で300を超えたのはこの3人だけです。順当な受賞と言えるでしょう。

 岡林選手と近本選手は俊足を生かした広い守備範囲が際立ち、岡林選手と森下選手は強肩も大きな魅力でした。一方で、上林誠知選手(中日)は「投げてアウトにする」補殺が6でセ・リーグ最多でしたが、刺殺は204にとどまりました。

── ほかに目についた外野手はいましたか。

荒木 DeNAから西武に移籍した桑原将志選手は、打球に対して一歩目の早さが今年も際立っていました。彼を獲得した西武は大きな補強になると思います。また、今回の外野手の議論を通して、一昔前には高橋由伸選手(元巨人)、英智選手(元中日)、福留孝介選手(元中日ほか)といった、捕球、送球ともに卓越した外野手が多くいたことをあらためて思い出しました。

パ・リーグ編につづく>>


荒木雅博(あらき・まさひろ)/1977年9月13日、熊本県生まれ。熊本工高から95年ドラフト1位で中日に入団。2002年からレギュラーに定着し、落合博満監督となった04年から6年連続ゴールデングラブ賞を受賞するなど、チームの中心選手として活躍。とくに井端弘和との「アラ・イバ」コンビは中日黄金期の象徴となった。17年にプロ通算2000安打を達成し、翌18年に現役を引退した。引退後は中日のコーチとして23年まで指導し、24年から解説者として新たなスタートを切った

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内容

はじめに

第一章 高校・大学・アメリカ留学編 1971〜1978年

伝説のはじまり/遠い聖地/怪物覚醒/甲子園デビュー/魂のエース・佃正樹の生涯/不協和音/最強の控え投手/江川からホームランを打った男/雨中の死闘/江川に勝った男/神宮デビュー/理不尽なしごき/黄金時代到来/有終の美/空白の一日

第二章 プロ野球編 1979〜1987年

証言者:新浦壽夫/髙代延博/掛布雅之/遠藤一彦/豊田誠佑/広岡達朗/中尾孝義/小早川毅彦/中畑清/西本聖/江夏豊

おわりに

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