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【プロ野球】都立高出身右腕・秋吉亮が振り返る波乱万丈の野球人生 「ノーテンダーっていう言葉すら知らなかった」 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── マスクを被っていたのは、小林誠司選手でした。

秋吉 ペナントレースと同じ配球ではダメだと思いました。誠司は社会人時代から対戦を通じて気心が知れていますし、自分の意図を汲みとってくれて、投げたい球とサインが一致していました。

【日本ハム移籍1年目に25セーブ】

── ヤクルトで5年プレーし、2018年オフにトレードで日本ハムに移籍しました。トレードを告げられた時の心境はいかがでしたか。

秋吉 寂しさはありましたが、日本ハムが必要としてくれて、2019年シーズンは53試合に登板して25セーブと活躍できたのでよかったです。

── セ・リーグとパ・リーグの野球の違いは、どんなところに感じましたか。

秋吉 セ・リーグのホームラン打者と言えば各球団ともクリーンアップでしたが、DH制があるパ・リーグはみんな一発の可能性を秘めていましたね。また、パ・リーグ投手の配球はストレートが多かったです。だから、みんながストレートを投げる状況で、自分は変化球を投げたのがよかったのかもしれません。

── 2027年からセ・リーグもDH制導入が正式決定しました。

秋吉 セ・リーグは中盤以降、投手に打順が回ると代打を送ります。だから、どうしてもリリーバーは登板過多になります。しかしDH制であれば、リードされている展開であっても続投できるので、いいことではないでしょうか。

── 2021年シーズンオフに西川遥輝選手、大田泰示選手と共に「ノーテンダー」となりました。

秋吉 「ノーテンダー」という言葉すら知りませんでしたが、自由契約だなということは察しました。自分としては「まだやれる」という思いがありましたので、一時的に独立リーグに行って、状態を整えてNPBに戻れたらと考えました。

【タイトルを獲得したかった】

── 2022年は独立リーグの福井ネクサスエレファンツに在籍し、シーズン途中の7月中旬にソフトバンクに加入しました。入団会見で「日本ハムを見返す」と語りました。

秋吉 復帰戦で、清宮幸太郎選手に内角のスライダーを投げたのですが、2ランホームランを打たれました。ボール1個分甘くなりましたね。勝負事なので打たれてしまったことは仕方ありません。直後、甲斐拓也選手から「配球をもう少しこうすればよかったですね」という話をされました。

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