検索

【プロ野球】高木豊はセ・リーグDH制に違和感「なぜ国際基準に合わせなければいけないのか」 リプレーセンター導入は賛成 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――駆け引きがセ・リーグの野球の醍醐味だった?

高木 それが特長だったのですが、消されてしまった。また、「WBCやプレミア12などの国際大会がファンの関心を集めているから、そこも考慮した」みたいな話もありますが、国際試合がどれだけ大切なものなのか、ということです。

僕としては、「なぜ国際基準に合わせなければいけないのか」と思います。それなら、先にボールを国際基準にするべきですよ。そもそも、DH制を導入しなくても、日本は世界一になっているわけじゃないですか。それで「世界基準にしなきゃいけない」とか、なぜ日本が一歩遅れてるみたいな感覚になるんだっていうことです。

それと、パ・リーグがDH制を採用しているから強い、とかも言われますよね。それならセ・リーグ勢が奮起すればいいだけで、別に強くていいじゃないかと。パ・リーグにはDH制があり、セ・リーグには駆け引きを楽しめる野球がある。同じ国でふたつ楽しみがあるのがよかったんですけどね。

――アマチュア野球でDH制の導入が加速していたことも、今回の決断に至った要因のひとつだったようです。

高木 アマチュアはいいと思うんです。レギュラーがひとり増えることもそうですし、ピッチャーの交代もそれほどないじゃないですか。「あの子は守備はうまくないけど、打つほうはすごい」という選手もいることによって、たくさんのお客さんが観るわけですし。

――懸念もあるなかで、セ・リーグの野球にもたらすプラスの効果はどう考えられるでしょうか。

高木 「大谷翔平ルール」(※)も同時に行なわれるとのことなので、二刀流の選手が増えていく楽しみや話題性は生まれるでしょうね。

(※)ひとりの選手が、先発投手とDHを兼任することができるルール。投手としてオーダーに入った場合、降板後は守備につかなければ打席に立てなかったが、同ルールでは守備につかなくても指名打者として出続けることが可能になった。

 今まで二刀流を目指す選手は、大谷をはじめ日本ハムの矢澤宏太や柴田獅子らパ・リーグ限定でしたけど、そういった選手がセ・リーグでも出てくる夢もありますよね。ドラフトで指名する選手の質も変わっていくでしょう。

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る