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【プロ野球】2501打席ホームランなし、59打席連続無安打も岡田幸文が示したスペシャリストの矜持 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 岡田さんの考える「盗塁のコツ」はどんなことですか。

岡田 "準備"です。後手にならないこと、構え遅れないこと。投手がボールを持っているので、進むにしても戻るにしても、差し込まれないように遅れないように、前もって準備をすることです。先手、先手です。すなわち、守備も盗塁も「準備」が大事なのです。

【育成選手が活躍するのに必要なこと】

── 2025年は育成選手の活躍が目立ちます。大盛穂選手、二俣翔一選手(いずれも広島)、長谷川信哉選手(西武)、山本大斗選手(ロッテ)、岩田幸宏選手(ヤクルト)......。

岡田 今年の育成選手の活躍を見ると、みんな本当にすばらしいですね。努力しているんだなと感じます。岩田選手など、ファームで見た時から「いい選手だな」という印象でしたが、一軍でも結果を出していますね

── 育成選手が活躍するには、何が重要だと感じますか。

岡田 やはり育成選手は本指名の選手と比較して、どうしてもチャンスが少なくなります。私が「足を生かした守備」だったように、自分を分析して長所を生かし、相手に対応していくことが必要になると思います。

── 現在は地元・栃木県で「部活地域移行コーディネーター」も週3日務められているそうですね。

岡田 足利市からお話をいただきました。公立中学の部活動外部移行は国の方針です。教員の働き方改革、少子化問題が関係していますね。

── 先生、生徒、保護者、外部指導員、人材派遣企業など、それぞれの立場があって大変ですよね。

岡田 みんな大変ですが、それを大変と言っていたら話は前に進みません。みんなが知恵を絞って、大変さを分け合って、みんながいい方向に持っていければいいと思っています。生徒には夢を持ってがんばってもらいたいですね。微力ながら私も野球で得た経験の「好きこそものの上手なれ」を伝えられたらいいかなと思っています。


岡田幸文(おかだ・よしふみ)/1984年7月6日生まれ。栃木県出身。作新学院から日本大に進むも、左ヒジのケガにより中退。その後、全足利クラブでプレーし、2008年育成ドラフト6位でロッテに入団。10年に球団初の育成出身での一軍登録を果たすと、11年は全試合に出場しゴールデングラブ賞を獲得。プロ初打席から1773打席連続本塁打なしの新記録を打ち立てるも、圧倒的な守備力と走塁でチームに貢献した。18年限りで現役を引退し、その後はBCリーグ栃木のコーチ、21年から4年間は楽天のコーチを務めた

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