【プロ野球】2501打席ホームランなし、59打席連続無安打も岡田幸文が示したスペシャリストの矜持 (2ページ目)
── 欲を言えば、最後に本塁打を打って「2500打席本塁打なし」の記録を止め、有終の美を飾りたいとは思わなかったですか。
岡田 それも頭に浮かびました(笑)。でも、プロ最終打席はライトへヒット。おかげで、自分らしく二塁盗塁で終われました。
【残念、そこは岡田だ】
── 岡田さんのプロ野球人生で一番印象深かったことは何ですか?
岡田 2010年の中日との日本シリーズの第7戦、延長12回に日本一を決めた浅尾拓也投手からの決勝タイムリーです。「オレが決めてやるぞ!」という気持ちでしたね。
── あと、岡田さんといえば2011年6月15日の巨人戦です。阿部慎之助選手、坂本勇人選手、小笠原道大選手の飛球をスーパーキャッチし、一躍全国に名を轟かせました。
岡田 注目される巨人戦で、反響はすごかったです。以来、ファンの方に「残念、そこは岡田だ」と言ってもらえるようになった思い出深いシーンですね。
── 34歳で現役引退。やり残したことはありましたか。
岡田 やり残したことはまったくないですよ。絶対プロに行くことしか頭になかった人間が、プロに入り、10年間もプレーできましたから。
── 2018年限りで引退後、翌2019年から2年間、栃木ゴールデンブレーブスの外野守備・走塁コーチを務めました。ロッテからの派遣という形だったのですね。
岡田 私が足利クラブからプロを目指したように、独立リーグからみんな夢に向かってがんばってプレーしていましたね。
── 2021年から4年間、楽天で外野守備・走塁コーチを務められました。「守備で大切なこと」として、どのようなことを教えているのですか。
岡田 "状況判断"です。点差、アウトカウント、走者の有無、投手の球種、打球傾向......。状況を把握して、いかに判断できるか。ひとことでは言えませんが、たとえば、一歩引いてワンヒットにするのか、攻めて球際に強くキャッチするのか。それらを加味して「守備の一歩目」が重要です。そして投手が一生懸命投げているのですから、守備はとにかく「取れるアウトを確実に取る」ことが大事だと思います。
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