プロ野球「投高打低」の裏側 30代半ばで防御率1点台を達成した広島・大瀬良大地が明かす球速至上主義から投球術への転換 (2ページ目)
「投球動作の見直し、バイオメカニクスから始まって、ちょうどその頃に流行り出したプライオボールという、ちょっと重たいボールを使って、いろんな種類のボールで練習に取り組むとか。今も継続してそういうものはやっているんですけど、その時はもうスピードに特化し、スピードを上げたいという一心でやっていましたね」
2022年の大瀬良は23試合に登板して8勝9敗。投球イニングは135回1/3で規定に到達せず、防御率は4.72。被本塁打18本、73失点はいずれもリーグワーストと、好調とは言えないシーズンだった。そういうなかで球速向上を目指していたのだ。
「23年のキャンプとオープン戦、シーズンの入りぐらいまでは、平均球速自体、前年よりも4キロぐらいは速くなっていたんです。でも、体のコンディションがあんまりよくなくて、長続きはできなくてっていうところで......。そこから昨年はもうスピードにはあまり目を向けなくなったというか、『最低限のスピートがあれば』っていう考え方に変わりました」
【投球術で勝負する投手にシフトチェンジ】
同年の大瀬良は右ヒジ、下半身のコンディション不良もあったなかでローテーションの一角を守った。そのうえでシーズン終了後には右ヒジのクリーニング手術を受けている。球速を上げることと、体のコンディションの悪化との因果関係はわからない。ただ、大瀬良にとっては考え方を変えるきっかけになった。
「球速がすごく速いピッチャーがたくさん出てきている時代なので、逆に投球術とか緩急、駆け引きとかで勝負する。そういうピッチャーのほうにシフトチェンジすれば、速いピッチャーとは対極にあって、数が少なくなっているっていうところで勝負できないかなと考えて。それが昨年からですね」
大瀬良の直球の平均球速は2023年に146キロを超えていたが、昨年は2キロほど減速。それでもシフトチェンジした投球で序盤から安定し、5月から7月にかけて37回1/3連続無失点。6月7日のロッテ戦ではノーヒットノーランを達成した。なかなか打線の援護に恵まれず6勝に留まるも、155回を投げて防御率は1.87。前年は129回2/3で3.61だから大幅な良化だった。
2 / 4

