緒方孝市が分析する広島の急失速 昨シーズンの終盤と成績は似ているが「内容は違う」 (2ページ目)
【昨季終盤の大失速との違い】
――7月31日に新規選手契約およびトレードの可能期間が終了。広島はセ・リーグで唯一、外部からの補強がなく、辻大雅選手、前川誠太選手を支配下登録しました。
緒方 セットアッパーもしくはクローザーができるタイプの外国人の補強はアリかなと思っていましたが、いい選手はメジャーがプロテクトしますし、これに関しては相手のチーム事情やタイミングもありますからね。
――昨年9月、5勝20敗と歴史的な大失速で優勝争いから脱落してしまいました。その時とチーム状況は似ていますか?
緒方 数字を見れば今年の7月と似ているかもしれませんが、内容は違います。昨年9月は広島の野球ができなくなっていました。一番の要因となったのは、マツダスタジアムでの巨人戦(9月11日)。2点リードの9回に9失点して逆転負けを喫してしまったのですが、あの試合がその後の明暗を分けました。
そのカード3連戦の前は首位の巨人と1ゲーム差だったわけですが、3連敗でゲーム差が4に広がりました。以降は、それまでできていた投手中心の守り勝つ野球ができなくなって、全然勝てなくなりましたから。
――夏場の疲労蓄積も大きかった?
緒方 そうですね。夏場はピッチャーが疲れてきますし、とらえられる打球も多くなっていました。ただ、それでもバックがしっかりカバーすることで失点を防ぎ、ピッチャーを助けていたんです。守備で勝ちを拾うことも多かったですから。
それが、9月に入ってからは守りでピッチャーを助けることができなくなった。ひとつのエラーが1失点どころか大量失点につながるような試合も目立ってきて......そうなるとピッチャーも集中力が切れてしまいますし、悪循環でしたよね。
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