伊藤琉偉はヤクルトの希望の星になれるか 首脳陣もビックリの打撃でレギュラー奪取に名乗り (2ページ目)
「ファームでホームランを打ったことはなかったですし、長打もそんなになかったので......。やっぱり去年の松山での秋季キャンプで、一軍のピッチャーの真っすぐに負けない強いスイングに取り組んできて、そこに体重が増えたこともマッチした。練習でできていたことが、試合でもだんだんできるようになってきました。練習中にスイングスピードを測れるんですけど、今年はずっと去年の平均の上をいっているので、そこは成長していると思います」
宮出隆自二軍打撃コーチは「あんなに勝負強かったかな。いいところで打ってくれていますよね」と笑い、昨シーズンの伊藤の印象についてこのように話した。
「もともと引っ張ることが得意ではなく、ボールに差し込まれることが多かった。打ち方的にも、反対方向に打球が飛びやすい形だったんです。ただ体の力はあったので、もう少しボールをしっかりつかまえられるようになれば、長打も打てるだろうなとは思っていました。
去年の終わりくらいから、そのための練習を少しずつ始めて、だいぶいい形になっています。左手の使い方が確実に変わっていますし、本人の感覚と形がマッチしてきたのかなと思います。逆方向に打てるのも武器なので、場面によって使い分けができるようになれば最高ですね」
【1日1500スイングで打撃強化】
昨年の松山キャンプで、伊藤は1日1500スイング以上バットを振り続け、守備練習もたくさんこなした。キャンプ終盤には「最初は1日が長く感じましたが、終わってみたらあっという間の2週間でした」と振り返り、こう語っていた。
「そのなかで発見もありました。限界に近い状態でも気合いで(バットを)振れましたし、自分って意外とこれくらいはできるんだなと。声も少しずつですけど出るようになって、きつくて苦しかったですけど、よく食べて体重も増えました(笑)。来年、沖縄での一軍キャンプに行って、オープン戦で結果を出して、なんとか食らいついて一軍に残るために踏ん張らなきゃと思ってやっていました」
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