梶谷隆幸が高森勇旗に明かす巨人移籍の真相 「ベイスターズひと筋で終わったほうが美しいとは思うんだけど...」 (2ページ目)
梶谷 それはあるね。ジャイアンツで3連敗した時は......もうお通夜のような雰囲気だった。それが、オレがいた時の横浜なんて「えっ、3連敗だっけ?」みたいな(笑)。
高森 いつもどおり(笑)。でも、2016年に初めてCSに出た頃は、野球に対する気持ちもたいぶ変わったんじゃない?
梶谷 そうだね。プロに入ってから「野球が楽しい」なんて、ほとんどの人が思わないだろうけど、あの頃は調子が悪くても一日の流れが楽しくなってきた。そういう雰囲気ができていたと思うよ。
高森 あの時代、オレは4番になったゴウをよく見ていたからわかるんだけど、彼は日本を代表するバッターになっても「弱小チームの4番でしょ。自由に打たせてもらえれば誰でも打てるわ」と言われるのが嫌で、「優勝する強いチームの4番になる」というのがゴウの目標だったんだけど、実現したからね。
梶谷 ゴウは本当にすごいヤツだよね。
【安定した場所で安心してやったらダメ】
高森 カジは基本的に「チームの勝利のために」というより、「自分のやるべきことをやればいいんでしょ」というタイプだからね。
梶谷 オレ、思ってもいないのに口先だけでキレイごとを言うのが嫌いなんだよ(笑)。そもそも「今日打てなかったら明日二軍」という若手は、チームのことなんて考えられない。そんな立場で「チームのために」と、なかには本当に思っている人もいるかもしれないけど、オレは胡散臭いと思っちゃう。
高森 たしかにね。
梶谷 だからオレはレギュラーという立場になって、ようやく自分の成績と心が落ち着いた段階で、初めてチームが勝つことにうれしいと思えた。自分のことだけじゃなくて、ちょっと周りにも視野を広げてみようかなと思えるようになったというかね。
高森 それでもカジは、最後まで完全にチームのことを見られる立場にはなっていないんじゃないの。2019年に心が折れる寸前までいって、スタイルを変えることを決めてから2020年に大活躍した。あのままいけばそういう立場になっていたかもしれないけど、その年のオフにFAでジャイアンツに移籍した。
梶谷 そうだね。
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