DeNAオースティンが今も誇る田中将大から放ったホームラン 「最高の人間から打ったからこそ特別な意味がある」 (2ページ目)
なんとそのジャッジも、メジャー初打席で本塁打を放ったのだ。メジャーリーグ史上初となるルーキーふたりによるデビュー戦での連続本塁打。その歴史的瞬間をオースティンが振り返る。
「正直、緊張しすぎていて、ほとんど覚えていません。夢のようで、ベースを回った記憶すらないんです。ただ、ベンチに戻った時に階段で滑りそうになって......とにかく興奮しすぎていて、『落ち着け』と思ったことははっきり覚えています(笑)」
自分のことはあまり覚えていないが、ジャッジのことについてははっきり記憶していた。
「月にまで届きそうな、特大のホームランでした。それは覚えています。メジャーデビュー戦の2人が、それぞれ初打席でホームラン。しかも2者連続というメジャー史上初の快挙を達成しました。ドラフトは一緒ではなかったですが、ともにマイナーでプレーしていたので友だちになりました。彼とともに歴史に名を刻めたことは本当にすばらしいことですし、今も誇りに思っています」
ジャッジとの関係は今も続いており、このオフに会った際、彼から祝福の言葉をもらった。
「シーズン終了後、僕もジャッジもフロリダのタンパにある施設でトレーニングしているのですが、そこで再会した時、『日本一おめでとう!』と声をかけてくれました。最近は、アメリカでも日本のプロ野球の知名度は上がっていますね」
【2021年の交流戦ではホームラン】
オースティンは2018年途中にヤンキースを離れ、ミネソタ・ツインズ、サンフランシスコ・ジャイアンツ、ミルウォーキー・ブリュワーズを経て、2020年からベイスターズに加入。一方、田中は2021年に楽天へ移籍し、3年ぶりの再会を果たした。
2021年5月28日、仙台での交流戦。試合前、田中が三塁側で準備をしていると、一塁側にいたオースティンが遠くから声をかけた。田中は帽子を取って応え、ふたりは笑顔であいさつを交わした。しかし翌日の試合では一転、真剣勝負の場となった。
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