検索

里崎智也と五十嵐亮太が分析する、メジャー開幕戦先発の山本由伸と今永昇太、鈴木誠也と「打者・大谷翔平」の今季 (2ページ目)

  • 長谷川晶一●文 text by Hasegawa Shoichi

----試合についてですが、開幕戦は日本人投手ふたりが先発でした。まずはドジャース・山本由伸投手についての印象を教えてください。

里崎 メジャー2年目だから変化したのではなく、昨シーズンの途中からすでに変わっていましたよね。僕はいつも「(キャッチャーの)ウィル・スミスのリードはどなうなのかな?」と疑問に思っているんです。昨シーズンも、最初はスプリットばかりで、対応されだしたら今度はカーブばっかり投げさせていた。ようやくシーズン終盤になって、いろいろなボールがミックスされてきたけど、日本では山本がそんな偏った配球で投げていたことはないですから。

 山本自身も去年はメジャー1年目で、なかなか自己主張もできなかったけど、今年は意見も言えるようになっているはず。経験を生かして1年やれたら、去年(7勝)の倍ぐらい勝つんじゃないかな?

五十嵐 山本はメチャクチャよかったですよ。去年の経験が、きちんと生かされていました。ピッチング内容はもちろん、マウンド上での雰囲気もそうだし、点を取られはしたけど決して内容は悪くなかったです。

 特に、鈴木誠也を抑えたツーシームがよかった。去年はあまりツーシームを投げていなかったのが、今年はツーシームや、左バッターへのカットボールをポイント、ポイントで見せています。投球の幅が広がるのと同時に、安定感もある。だから、去年以上の成績を残すことはもちろん、サイ・ヤング賞の可能性もあると、僕は思っています。

【鈴木誠也は極度の時差ボケに苦しめられた!?】

―― 一方、シカゴ・カブスの開幕戦を託された、今永昇太投手はどうでしたか?

里崎 相手打者に対応されるまでは、今のままでいいんじゃないですか。メジャーの関係者が言うには、アメリカ野球はここ数年のアッパースイングブームから、レベルスイングに戻ってきているらしいんです。そうなると、去年に今永もよく投げていた高めの球は合わされやすくなってくる可能性があるわけですよね。

 だから、対応されだしたら、それに応じて変化していけばいい。まだ相手打者が対応もしていないのに変える必要はないですよ。開幕戦を見る限りでは、対応はまだされてない感じでした。

五十嵐 僕も、山本は去年とそんなに変わらないと思うけど、大きく変わるとすれば今永のほうだと思います。去年は高めの真っ直ぐで、ある程度の空振りやファウルを取って、低めの変化球で勝負するという、高低をうまく使っていました。でも、今年はキャンプ取材に行った時に、「相手打者のストレートへの対応がよくなっている」と言っていましたね。

2 / 4

キーワード

このページのトップに戻る