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【プロ野球】ヤクルト捕手陣の勢力図は変わるか? 中村悠平の牙城を崩すのは誰だ? (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 キャンプ中、チーム練習後に休憩もとらず、室内練習場でバットを振り込んだ日もあった。

「これまでと同じことをしていたら、同じかそれ以下にしかならない。去年よりいい準備をしたうえで、結果は神のみぞ知るというか。去年1年で、バッティングに期待してくださる人も多いと思うので、そこは長所として伸ばしながら、捕手の能力もしっかり伸ばしていきたいですね」

昨年はコンディション不良の影響もあり24試合の出場にとどまった内山壮真 photo by Koike Yoshihiro昨年はコンディション不良の影響もあり24試合の出場にとどまった内山壮真 photo by Koike Yoshihiroこの記事に関連する写真を見る

【ケガを乗り越え新たな決意】

 内山壮真(22歳)は、ルーキーイヤーにフレッシュオールスターでMVPを獲得。2年目は、オリックスとの日本シリーズ第2戦の9回裏に、起死回生の代打同点3ランを放った。3年目は外野にも挑戦し、94試合に出場して6本塁打と順調な成長曲線を描いてきたが、昨年は上半身や下半身のコンディション不良もあり、24試合の出場にとどまった。

「去年はケガが多かったので、悔しさはもちろんあります。ただ、体を含め、いろいろなところで自分と向き合えました。今後の野球人生に生かせたらと思います」

 二軍の戸田球場でのリハビリ期間中は、チームメイトから「今日も陸上部だね」と冷やかされるほど、黙々と走り込んだ。

「基本、走ることは大事だと思いますし、野球は走ることが多いので、いいフォームで走ることを意識してやっていました。今までバッティングでも結果は残せていないので、今年はしっかり成績を出せるようにしたいですね」

 古賀優大(26歳)も、昨年は「すごく悔しい1年でした」とケガに泣かされた。オープン戦で下半身を負傷。実戦復帰はイースタンリーグ最終戦だった。

「最初は試合を目にすることも嫌だったのですが、『来年は絶対にやらないといけない』と、テレビ中継ですが一軍も二軍も見ていました。自分がマスクを被っていたらどうするだろう......中村さんや松本さんはこういう配球をするんだと思いながら見ていました」

 戸田での長いリハビリ期間中、強く印象に残ったのはほかの選手をよく観察し、「昨日の試合はこうだったね」と、ピッチャー達と会話をしている光景だった。

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