杉山一樹は「最も打てない変化球」と評される今井達也のスライダーをなぜマスターしようとしたのか (4ページ目)
対して、2016年ドラフト1位でプロ入りしてから先発ひと筋の今井だが、強い速球と鋭く落ちるスライダーで三振をとれるのはショートイニングのリリーフ向きだ。数少ない難点は制球を乱すことが時折あることで、昨季、メジャーリーグのスカウトは「メジャーに行くなら球数を減らさないといけない」と話していた。WBCでは球数制限が設けられるなか、日本代表の首脳陣は際立つ三振奪取力と天秤にかけてどう判断するだろうか。
今井自身は、「球界を代表してプレーするのは経験してみたい」と強い意欲を示している。そのためにも求められるのは、昨季以上のパフォーマンスだ。もちろん、今井もさらなる飛躍を誓っている。
「去年同様に、この1年間もケガなく投げたいと思います。そのなかで三振という部分でも強く意識して、毎試合、目標をクリアしていければと思います」
それぞれの目標を掲げて2025年シーズンに臨む今井と杉山。高いゴールを達成した時、WBCでの日本代表入りも近づいてくる。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
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