杉山一樹は「最も打てない変化球」と評される今井達也のスライダーをなぜマスターしようとしたのか (3ページ目)
【WBCに向けた起用法のカギとは?】
一方、昨季パ・リーグで奪三振王に輝いた今井にとっても、今回の強化試合は有意義な時間になった。
「開幕前に強化試合ができて、(代表メンバーから)いろんなことを聞けました。技術、トレーニングなどいろんな情報を吸収して、自分のレベルアップにつなげられたと思います」
今井は5日のオランダ戦で6回からリリーフ登板し、2イニングを無失点。パワフルな打者の多いオランダに対し、明確な意図を持ってマウンドに上がった。
「自分の真っすぐで外国人の選手に押せるか。どれくらい投げられるかの確認というのはありました」
全26球のうちストレートが19球(73.1%)、スライダーが7球(26.9%)。昨季のペナントレースではストレートが46%、スライダーが39%で、オランダ戦では意図的に力勝負にいったことが数字にも表れている。
過去2年続けて10勝を挙げている今井は球界を代表する先発投手のひとりだが、日本代表候補のメジャーリーガーには先発タイプが多くいる。そのなかで、WBCでメンバー入りを果たせるかは、起用の幅も関わってくる。
今回のオランダ戦では、普段の先発ではなく中継ぎで起用した井端弘和監督は、先を見据えてこう話した。
「WBCも含めて言うと、(先発投手に)そこまで長いイニングを投げさせる予定はないので。必ず1試合に2人くらい先発ピッチャーがいるなかでは、(今回の今井は)非常によかったかなと思っています。11月の強化試合もありますので、そこでもうまく試せればいいと思います」
前回のWBCでは大谷、ダルビッシュ、山本、佐々木の4人が先発を回したが、今回もメジャーリーガーがこの役割を担うだろう。そこでNPB組に求められるのは、第二先発、あるいはリリーフも兼ねられることだ。その意味では連続出場を狙う宮城大弥(オリックス)、プレミア12でアピールした北川亘基(日本ハム)らが候補になる。
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