ヤクルト塩見泰隆、完全復活へ決死の覚悟で挑む2025年「もうセンターは自分の定位置じゃない」 (4ページ目)
【個人的な目標は決めてない】
塩見は「切磋琢磨」という言葉をよく使う。先輩、同級生、後輩たちに囲まれ楽しそうな姿を見ると、ほんとにチームスポーツが好きなんだなと思うことがある。
「個人の戦いも好きですけど、野球はチームスポーツなので、みんなで戦っていったほうがチームは強いです。みんなでつらい練習をしたなかでの勝利はすごく大きな喜びで、そのためにはチームの団結力が大事だと思うので"切磋琢磨"と言っています」
そう話す塩見だが、結果がついてこなかった若手時代は「焦っていて、チームスポーツというよりも個人スポーツでした」と言った。
「それがある程度レギュラーとして試合に出られるようになっていくと、次の日も試合に出られるという安心感が生まれました。でもこれから出てくる選手は、やっぱり個人との戦いじゃないですか。全員が個人で戦ってもダメなので、正しい言い方がどうかわからないですけど、気持ちに余裕のある選手がチームをつくっていけば、その子たちも『こういうチームなんだ』と、先輩たちを見て学べます。そういう"和"をつくることを、できるだけやりたいなと」
山崎晃大朗二軍外野守備走塁コーチは塩見とは同学年で、西都キャンプではコーチと選手という間柄で接することになった。
「僕がノックを打って、外野とは距離があるので若い選手に伝えきれない部分を、塩見が身振り手振りで伝えてくれた。直後にエラーしていたのは塩見らしくて相変わらずでしたけど(笑)。先輩に頼っていた塩見、自分本位でしか考えてなかった塩見から、後輩の面倒も見てくれるという3人目の塩見が出てきたと感じています。キャリアを積みながら、塩見という選手がどんどん大きくなっているのかなと......頼りにしています」
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