ヤクルト塩見泰隆、完全復活へ決死の覚悟で挑む2025年「もうセンターは自分の定位置じゃない」 (2ページ目)
捕球してからのスローイングでは、「ステップが合わない、リズムが全然わかんない」という日もあれば、「内野ノックで低めに投げて、スローイングの修正をする」という日もあった。
「まだまだ詰めるところがたくさんあるなと。状況に応じて、強く投げたり、弱く投げたりがあるんですけど、まだ感覚がズレている。そこはキャンプや実戦に入っていくなかでやっていけたらと思っています。今はその動きに対して、ヒザがちゃんとついてきてくれるのかを確認しつつ、リズムを意識しながらやっています」
持ち前の天真爛漫さでリハビリチームに活気をもたらし、強く印象に残ったのはアップやランメニューなどでの意識の高さだった。動きのすべてが正確で緊張感があり、まったく隙がない。
「隙なし、死角なしです(笑)。やっぱりきれいに動いたほうが、ケガのリスクや筋肉への負担も少ないですから。ただそればかり追い求めて、自分のよさやスピードが落ちてしまったら元も子もないので、そこは意識しながらやっています」
戸田でのリハビリは「キャンプに入るまでの土台づくりとしては順調に進んだのかな」と、1月28日に打ち上げた。筋肉量は4キロ増えたという。
「再発防止のために筋質的なところなど、いろいろなことをやってきました。多くの動きや強度はまだそこまで上がってきていないので、キャンプで一気にギアが上がっていくと思います。野球の動きとしてはまだ怖さがあるので、7割から8割くらいですかね」
【外野はどこでも守れるように】
2月、二軍の宮崎・西都キャンプではチーム練習に参加。午後の個別練習では、近い距離から緩いボールを打ち返す"ショートゲーム"で約120球、バットを振り込んだ。ボールを投げていたのは川端慎吾。助言を交えながら「いい練習になったでしょ」と、お互い充実した笑顔を見せた。
キャンプ中のシートノックでは、レフトを守る日もあった。
「もうセンターのポジションは自分の定位置じゃないと思っているので......。一からのスタートとして、外野ならどこでもしっかり守れるように」
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