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ベイスターズ「史上最大の下剋上」の舞台裏を戸柱恭孝が語る ジャクソン、ケイはこうして覚醒した (4ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── シリーズ第3戦は、復帰した東投手の好投も大きかったです。第4戦ケイ投手、第5戦はジャクソン投手がともに7回零封。リリーバーにつないで、強打のソフトバンク打線を連続29イニング無失点に封じました。

戸柱 東は(山本祐大とバッテリーをよく組むので)2年ぶりにリードしたのですが、さすが2年連続2ケタのコントロールの持ち主ですよ。東もジャクソンもケイも好投手で、試合後に「捕手は誰でもいいんじゃないのか」と、冗談っぽく言ったほどです(笑)。

── 戸柱さんは、難しい左投手のスライダーのキャッチングが絶妙です。

戸柱 投手陣が「投げやすい」と言ってくれるのでうれしいですよね。普段から投手陣とはコミュニケーションを取ることを心がけていたので、突然バッテリーを組んでも信頼関係ができていたのがよかったと思います。

── 特に第5戦は、初回を3者連続三振。3回には3番の栗原陵矢選手に対し、ジャクソンが6球連続チェンジアップを投じ、空振り三振に打ち取りました。

戸柱 1戦目から4戦目までのつながりがあったなかで、あそこは単純に「投手優先」と「打者優先」の2つがマッチしたということです。どこかで違う球種を挟もうと思っていたのですが、2球投げた時点で「全部チェンジアップでいこう」と考え直しました。

── 2017年もシーズン3位で日本シリーズに進出し、同じソフトバンクに2勝4敗。今回リベンジできましたね。2025年の目標は?

戸柱 僕も含めて、チーム全体として「リーグ優勝しての日本一」です。個人的にはチームの戦力としてどれだけ必要とされるかも大事だと思うので、それがスタメンであったり、途中出場であったり、また抑え捕手であってもどこでも対応できるようにやっていきたいと思います。

つづく>>


戸柱恭孝(とばしら・やすたか)/1990年4月11日、鹿児島県出身。鹿屋中央高から駒沢大に進学し、卒業後はNTT西日本へ入社。 入社2年目の2014年に正捕手となると日本選手権8強入りに貢献。 15年のドラフトでDeNAから4位指名を受け入団。プロ1年目から開幕スタメンを果たすなど124試合に出場し、DeNA初のCS進出に貢献した。24年、シーズンでは46試合の出場にとどまったが、CSではケガで離脱した山本祐大、伊藤光に代わりスタメンマスクを被ると、MVPを獲得する活躍で阪神、巨人を破り日本シリーズ進出。ソフトバンクとの日本シリーズでも攻守に存在感を発揮し、26年ぶり日本一の立役者となった

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