「プロ野球代理人」大友良浩は、社会人野球でプレーしたあと3年で司法試験に合格した (4ページ目)
厚木高校時代、夏の神奈川大会で1勝もできなかった大友は、大学野球で実績を残して、社会人野球でもプレーした。アスリート時代の成功体験があったから、司法試験の勉強漬けの日々に耐えることができたのだ。
「スポーツが好きなら、できるところまでとことんやればいい。ただ、スポーツだけではなくて、学校のテストでしっかりと点数が取れるように勉強することも大切です。特別なことはしなくてもいいから、それだけでも頑張れば力はついてきます」
プロ野球の代理人のなかで、大学や社会人でプレーした経験を持つ弁護士は珍しい。
「もともと私は長く野球をしてきましたし、選手の想いを球団に伝えたいという気持ちがあります。年俸が上がるに越したことはありませんが、それだけが仕事ではありません。球団の事情とか組織の大変さも理解したうえで、球団の人や選手の話を聞くことも面白いし、弁護士として野球に関われることはうれしいですね。『選手を守る』ということにやりがいを感じています」
(文中敬称略)
『スポーツを支える仕事』(岩波ジュニア新書)
元永知宏 著
スポーツ通訳、スポーツドクター、選手代理人、Jリーグチーム広報、競技用車いす開発設計技術者、NPB公式記録員、栄養サポートスタッフなど、さまざまな分野で選手のパフォーマンスを高める仕事に携わる人々の想いを伝えます。スポーツを支える仕事の知られざる舞台裏を紹介します。
目 次
はじめに
1 スポーツ通訳者 ◎ 佐々木真理絵さん
2 栄養・コンディショニングサポート ◎ 栗原秀文さん
3 整形外科医 ◎ 中村格子さん
4 Jリーグ FC町田ゼルビア広報 ◎ 西村実紅さん
5 プロ野球代理人 ◎ 大友良浩さん
6 競技用車いす開発・設計 ◎ 山田賀久さん
7 NPB公式記録員 ◎ 西原稔泰さん
著者プロフィール
元永知宏 (もとなが・ともひろ)
1968年、愛媛県生まれ。 立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。 大学卒業後、ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て、フリーランスに。著書に『荒木大輔のいた1980年の甲子園』(集英社)、『補欠の力 広陵OBはなぜ卒業後に成長するのか?』(ぴあ)、『近鉄魂とはなんだったのか? 最後の選手会長・礒部公一と探る』(集英社)など多数。2018年から愛媛新聞社が発行する愛媛のスポーツマガジン『E-dge』(エッジ)の創刊編集長
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