独立リーグ・茨城アストロプラネッツ流「GM論」 色川冬馬が力説する人材育成と組織づくりの新常識 (4ページ目)
英語では「監督=field manager」「GM=general manager」となるが、両者の役割はそう考えるとわかりやすい。ベースボールオペレーションにおいて、スペシャリストたちをまとめ上げるのがGMの役割だ。
日本ではまだ「GM」のあり方が確立されていないからこそ、色川GMは先鞭をつけたいと考えている。
「日本では野球人口が減っているなか、今までのように黙って大会を開催していれば優れた選手がポンポン出てくる流れも変わっていくと思います。気づかれないまま消えていく存在が、現在もすでにいますが、これからはもっと多く出てくる。
そのなかで昨今、データやスカウティング、技術論などいろんな方法論が広がっていますが、スカウティング人材が活躍する時代がやってくると思います。今後ベースボールオペレーションサイドにもっと多様な人材が必要になった時、彼らを統括して、舵を切っていくGMという存在が、今まで以上に重要になっていくはずです」
昨今の球界は、アナリストやデータサイエンティスト、バイオメカニストなど、各球団がスペシャリストを抱えてチーム強化をするのが当たり前の流れになっている。彼らを束ね、どのように力を最大限に発揮させるのか。
GMという役職は今後、日本でも重要性が増していくはずだ。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
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