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独立リーグ・茨城アストロプラネッツ流「GM論」 色川冬馬が力説する人材育成と組織づくりの新常識 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

「ウチの球団は選手を40人、監督やコーチを4人くらい抱えていて、いわゆる中小企業サイズです。GMの僕はオーナー会社の意向をくんだうえで、スポーツビジネスとしてチームのオペレーションをしっかりやる責任があります。僕らがコンテンツとなってスポンサーが取れたり、グッズ販売を行なえたり、チケット収入を得られたりするということです。ビジネス面を担ってくれる人たちがいなければ、僕らの給料は出ません。そういう組織のあり方を、選手たちには必ずミーティングで話しています」

 個人事業主の選手たちが会社の一員として活動していく際、大事になるのがチームとしてのルールだ。

 たとえば、アストロプラネッツではキャップの上にサングラスを乗せることが禁止されている。球団のロゴマークが隠れてしまうからだ。

 Tシャツ、短パンで練習することを認める一方、Tシャツは必ずズボンのなかに入れなければならない。トレーナーが「夏の間はシャツを出したい。シャツを入れていると、体温が数度違うから」と言ってきたこともあるが、色川GMは拒否した。

「選手たちはどこでも写真を撮られる存在、つまりコンテンツです。チームから与えられた茨城アストロプラネッツのジャージ、ユニフォームを正しく着る。これはGMである僕が決めたルールです。球団に対して誠意を示す姿勢が大事なので、常に徹底させています」

 ファンやスポンサーに対し、チームをどう見せるのか。他者に礼節を持って接し、球団のブランドイメージを高めていく。そうした観点から、色川GMは上記の2点をルール化した。「GMの責任のひとつはチームづくり」と考えているからだ。

 選手個々に対して育成計画を綿密につくり、人としても成長していけるように講習を行ないながら、厳しいウエイトトレーニングで肉体面もスケールアップさせていく。アストロプラネッツは球団の拠点である旧笠間市立東中学校の廃校にジム施設を整え、選手たちが肉体強化に使えることはもちろん、民間利用もリーズナブルな価格で行なえるようにしている。

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