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「おまえ、何を考えてリードしているんだ!」と森監督は激怒 伊東勤が野球人生初の屈辱を味わわされた打者とは? (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hirohi

── のちにブライアントさんは「フォークとスライダーを待ったが、ストレートに体が反応した」と振り返っています。

伊東 データや相性を覆す、いわゆる"ゾーン"に入っていたのでしょう。自ら「アンビリーバブル!」と言っていたように、ほんと神がかっていました。

── 2試合目は四球敬遠のあと、高山郁夫投手が勝ち越しの本塁打を浴びました。4打数連続本塁打です。

伊東 ベンチに戻った私は、森祇晶監督に「おまえ、いったい何を考えてリードしているんだ!」と叱責され、交代させられました。私も返す言葉がなくて......。森監督も捕手出身ですし、我慢できなかったんでしょうね。前年の"10・19"ロッテとのダブルヘッダーで優勝を逃した近鉄の2年越しの執念だったのでしょう。

つづく>>

伊東勤(いとう・つとむ)/1962年8月29日、熊本県生まれ。熊本工高3年時に甲子園に出場。 熊本工高から所沢高に転入し、転入と同時に西武球団職員として採用される。 81年のドラフトで西武から1位指名され入団。強肩と頭脳的なリードでリーグを代表する捕手に成長し、西武の黄金時代を支えた。2003年限りで現役を引退。04年から西武の監督に就任し、1年目に日本一に輝く。07年限りで西武の監督を退任し、09年にはWBC日本代表のコーチとして連覇に貢献。その後も韓国プロ野球の斗山のコーチを経て、13年から5年間ロッテの監督として指揮を執り、19年から21年まで中日のコーチを務めた

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