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篠塚和典が振り返る巨人のCS敗退の原因 大きかった吉川尚輝の離脱、戸郷翔征に足りなかった「エース」の姿 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――中山選手は初のCS出場で本塁打を記録。それがプロ初本塁打となりました。

篠塚 第5戦と第6戦ではマルチ安打でしたし、あの1本がいいきっかけになったんじゃないですか。ただ、そのバッティングの感触やCSの経験を来季につなげていかなければいけません。巨人はシーズン中に若手をたくさん起用しましたよね。選手一人ひとりが持続して成績を残していないので、結果的にそうなってしまうんです。若手をたくさん起用するということは、「違う選手を試す」ということですから。

 リーグ優勝はしましたが、シーズンを振り返ってみれば、そんなに地に足をつけて試合をしている感じには見えなかったです。そういうものがCSのような大事な試合に出てしまったと僕は受け止めています。やはり、ある程度、選手を固定してシーズンを戦っていくことが大事だと思いますね。

【CSまで経験した若手の奮起に期待】

――菅野智之投手もそうですが、戸郷投手が投げる試合でも勝ちを計算していたでしょうね。

篠塚 戸郷は、シーズンでは12勝(8敗)しましたが、浮き沈みがありますからね。安定していれば15勝できる力を持ったピッチャーだと思うのですが、どうしても波がある。ただ、CSでは悪いピッチングはしていないんです(第1戦は6回1/3を2失点、第6戦は4回2/3を2失点)。ただ、「"ジャイアンツのエース"とは」ということです。"ここぞ"というときに打たれてしまった場面もありましたからね。

 それでも、ピッチャーが取られていい点数の許容範囲は3点で、3点以内に抑えて打線がそれ以上の点を取ると、自分がコーチの時も選手たちにはそう伝えていました。ただ点が取れないと、どうしてもああいう試合になってしまいますよね。

――DeNAはピッチャーをはじめ、守りが堅かった印象です。

篠塚 そうですね。それほど点を取っているわけではなかったですが、先発や中継ぎがしっかりしていましたよね。いいピッチングが、守りにもいいリズムをもたらしていた印象です。

 でも、DeNAは3連勝したあとに2連敗したじゃないですか。DeNAの立場で考えると、3つ勝てたことで気持ち的に「いける」という安心感が出てしまった感じがあったんじゃないですか。

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