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荒木雅博に聞く 広島の菊池涼介&矢野雅哉は「令和のアライバ」になれるか? (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

【実力者ひしめくセカンド】

── 荒木さんのポジションだったセカンドは、プロ8年目の吉川尚輝選手(巨人)が初めて受賞し、しかも両リーグ最多の232票を集めました。次点が、これまで10度受賞の菊池涼介選手(広島)で47票。昨年初受賞した中野拓夢選手(阪神)はわずか3票でした。

荒木 票数こそ差はつきましたが、二塁は激戦でした。広島の本拠地・マツダスタジアムと阪神の本拠地・甲子園は土のグラウンドなので、守備率だけでは計れない部分があります。今季、吉川選手は143試合で守備機会821、失策5で守備率.994(リーグ1位)、菊池選手は135試合出場で守備機会626、失策7で守備率.989、中野選手は143試合で守備機会810、失策8の守備率.990。そんななかでの受賞ですから、価値は高いです。

── 荒木さんから見て、それぞれの特徴を教えてください。

荒木 もともと吉川選手は守備範囲が広く、打球を処理してからのスピードも早かったのですが、そこに今年は確実性が増しました。菊池選手は円熟味が増し、ひと味違う"うまさ"が出てきました。中野選手は球際に強く、セカンドにコンバートされて2年目ですが、さらにうまくなる雰囲気があります。今後もセカンドの争いは注目ですね。

── 三塁手は、本格的にコンバートされた坂本勇人選手(巨人)がいきなり選出されました。

荒木 坂本選手はショートで5度受賞していますが、どこのポジションを守ってもそつなくこなすんだなという印象です。ショートからサードに変わると、打者からの距離が短くなってバウンドを合わせる間(ま)が変わり、足を使わずに投げないといけない場面もありますが、坂本選手はしっかり対応しています。かつてヤクルトの宮本慎也さんがショートからサードにコンバートされて無失策記録をつくりましたが、坂本選手もポジションが変わっても、安定感のある守備を披露しています。

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