荒木雅博に聞く 広島の菊池涼介&矢野雅哉は「令和のアライバ」になれるか? (3ページ目)
── ショートは、矢野雅哉選手(広島)が218票を集めて初受賞。2022年に初受賞した長岡秀樹選手(ヤクルト)は67票でした。
荒木 矢野選手は132試合で守備機会597、失策9の守備率.985。長岡選手は143試合で守備機会640、失策9の守備率.986。守備率では長岡選手がわずかに上回りましたが、矢野選手は171センチ、71キロと小柄ながら強肩で、どんな体勢からでも一塁にしっかり送球していました。対照的に、長岡は堅実でした。昨年と比較しても、足が動くようになってスローイングが滑らかになりました。スタイルは違いますが、ふたりともうまいです。
── 菊池選手と矢野選手は、荒木さんと井端弘和さんの「アライバ」以来の魅せる二遊間コンビだと思います。
荒木 矢野選手は、菊池選手に似た「こんなプレーするの!」というアクロバチックな守備でファンを魅了していました。華があるのは、プロとしてすごく大切な要素です。試合を重ねれば重ねるほど、ふたりの呼吸は合ってきますし、まだまだ成長できると思います。
【岡林勇希のライトの守備は絶品】
── 外野手は、秋山翔吾選手(広島)が受賞に「飛び跳ねて喜んだ」とのコメントを残しました。
荒木 リーグ最多の守備機会308で失策0。昨年は次点に終わり、悔しかったのでしょうね。西武時代は6度受賞しており、守備には特別な思いがあるんだと思います。
── 荒木さんの後輩である岡林勇希選手(中日)は3年連続の受賞です。
荒木 打撃は苦しみましたが、守備にスランプはないということでしょう。それに今季はセンターが多かったですが、ライトの守備はもっとうまいですよ。彼は球際に強いですし、一歩目のスタートを早くすれば、もっとうまくなると思います。守備に対する意欲が高く、私と同じ年の福留孝介の打球方向を予測して守る"ポジショニング"、正確で強い球を投げる"スローイング"を目標に、さらなる成長を期待しています。
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