【日本シリーズ2024】DeNA日本一の陰に「『嫌われてもいいや』と覚悟して...」短気決戦の心を伝えたメンタルコーチの存在 (4ページ目)

  • 石塚 隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi

【世代を超えたつながりが力】

 そして、チームの精神面においてベテラン選手たちの役割が大きかったと言う。

「今回ポストシーズンで感じたのは、筒香嘉智、戸柱恭孝、山﨑康晃、桑原将志、柴田竜拓といった経験豊富な選手たちがチームを鼓舞し、浮き足立たせないようにしたのも大きかったと思います。彼らがひと言発することで影響力がありますし、支えになった選手もいたと思います。彼らのおかげで全員がひとつになれたし、同じ方向へ矢印を向けることができました」

 心技体、そして世代を超えた人間同士のつながりこそがDeNAの力であり、結果それが日本シリーズ制覇を遂げるひとつの要因になった。

「みんなが本当に自分やチームのことを強く意識したシーズンでしたし、それが最終的に形になりました」

 だが、DeNAの歩みはまだ止まらない。遠藤コーチは自信を持っていう。

「今回結果が出たことで、来季は次の目標であるリーグ制覇に向かって浮き足立つことなくやっていけると思います」

 前出の靏岡コーチの存在もしかり、前例のないアプローチで独自路線を行くDeNAであるが、ようやく成果が出てきたように感じられる。

 来季の完全優勝、またはチームの指針である優勝し続けること"に向け、今後どうような進歩を遂げるのか楽しみにしたい。

著者プロフィール

  • 石塚 隆

    石塚 隆 (いしづか・たかし)

    1972年、神奈川県出身。フリーランスライター。プロ野球などのスポーツを中心に、社会モノやサブカルチャーなど多ジャンルにわたり執筆。web Sportiva/週刊プレイボーイ/週刊ベースボール/集英社オンライン/文春野球/AERA dot./REAL SPORTS/etc...。現在Number Webにて横浜DeNAベイスターズコラム『ハマ街ダイアリー』連載中。趣味はサーフィン&トレイルランニング。鎌倉市在住

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