【日本シリーズ2024】ソフトバンク打線を翻弄したDeNAケイの好投 秦真司は戸柱恭孝のリードを絶賛 (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva

── 石川投手の失投を仕留めたオースティン選手も見事だった?

 さすがでした。短期決戦はひとつのミス、ひとつのプレーで戦況が大きく変わります。ソフトバンクバッテリーにとっては痛恨の1球になってしまいました。あとベイスターズにとって大きいのは、桑原将志選手がラッキーボーイ的な存在になっていること。日本シリーズはこういう選手が出てきたチームが強い。前日の試合でも攻守にわたり大活躍の桑原選手ですが、この試合でも3安打2打点。7回に満塁からの2点タイムリー二塁打はほんとに大きな追加点になりました。ソフトバンクとしては、桑原選手の勢いを止めないと厳しい戦いになります。

── DeNA打線は第4戦も11安打と上向いています。

 1番の桑原選手と4番のオースティン選手が好調ですので、2番、3番がもっと機能すればさらに得点力は上がるのではないでしょうか。第4戦は牧選手が2番、筒香嘉智選手が3番に座りましたが、ともに状態はそれほどよくありません。なので、2番に経験豊富な佐野恵太選手、3番にマイク・フォード選手を入れても面白んじゃないかと思います。佐野選手は打率こそ高くありませんが、強いスイングができていますし、状況に応じたバッティングができる。フォード選手もしっかり振れていますからね。そして牧選手を6番に置く。そのほうがソフトバンクにとっては脅威かもしれません。

── 対戦成績は2勝2敗の対になりました。勢いはDeNAにあると見てもいいでしょうか。

 たしかにDeNAに勢いはありますが、まだどっちが有利というのはないと思います。ソフトバンクは有原航平投手、リバン・モイネロ投手が控えています。一方のDeNAは、第7戦で東克樹投手を予定しているでしょうから、なんとかそこまで持ち込みたい。そういう意味で第5戦はものすごく重要な試合になります。

── 第5戦の見どころはどこになりますか。

 ソフトバンク打線が、アンドレ・ジャクソン投手から得点を奪えるかですね。第1戦も有原投手のタイムリーで2点奪いましたが、三振もけっこう奪われましたし、打ち崩したという感じではありません。初戦の結果を踏まえてどう対策を立ててくるか。逆にDeNAは、ソフトバンク打線をどう抑えていくか。戸柱選手のリードに注目したいと思います。


秦真司(はた・しんじ)/1962年7月29日、徳島県生まれ。鳴門高から法政大を経て84年ドラフト2位でヤクルトスワローズに入団。88年に強打の捕手としてレギュラーをつかむと、野村克也監督のもと91年からは外野手に転向し、その年のオールスターに出場するなど中心選手として活躍。99年に日本ハム、2000年にロッテでプレーし、同年限りで現役引退。引退後はロッテ、中日のコーチを歴任し、08年からはBCリーグに新加入した群馬ダイヤモンドペガサスの監督に就任。12年から17年、19年とまで巨人のコーチを務め、現在は解説者として活躍している

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