【日本シリーズ2024】ソフトバンク・山川穂高が振り返る好機での凡打 「何年やってもコンマ何ミリの差」 (2ページ目)
山川はたとえ無様なプレーをした日でも、メディアの声がけを無視して帰ることはしない。「なんで僕にばっかり毎日話を聞きに来るんですか? ほかの人にもしてます?」と言って記者陣を困らせたことはあったが、「いや冗談ですよ」と笑って向き合うのだ。
悔しかった日でも大活躍した日でも、口調は変わらない。それが山川だ。
打ち損なったのかと質問をかぶせると、こう返ってきた。
「打ち損ないですね。でも(それを)どうするってなった時に、何年プレーしてもどうすればよかったっていうのは、"たら・れば"になっちゃうので。ただ、決めたかったですよね。ひとつ前(の打席)に、シュートかストレートの速い系の球をライトにライナーを打ちました。アウトになりましたけど。ケイ投手とは(この日が)初対戦ですので、待ち方的にもあれは正しいかなと思います。そんな感じです」
山川は打席が終わってベンチに腰掛けると、必ず自身のバットを見つめる。どの部分でとらえたのか、その跡を確認するのだ。この打席も芯付近ではとらえていた。ただ、ほんのわずかバットの上っ面のところに当たっていたというのだった。
零封負けを喫した試合のなかで、あえて4番・山川の名前を挙げたが、ソフトバンクは前日の試合も攻撃が低調だった。
第3戦は10安打を放ったものの、先頭打者が打ったイニングは一度もなかったこともあって相手に脅威を与えることはできなかった。第4戦は半分の5安打しか打てていないものの、イニング先頭は3度も出塁した。ただ、それでもつながらなかった。
【短期決戦はホームラン】
あれはクライマックスシリーズ(CS)ファイナルが始まる前日のことだ。キーマンは周東になるのではないかと思い、話を聞きに行った。するとスピードスターは首を横に振って笑って、顔の前で手を振った。
「短期決戦はホームランじゃないですか、重要なのは。どのタイミングで、誰かがホームランを打つ。(CSファーストステージの日本ハムの)万波(中正)みたいに? そうです。ああいう一本がやっぱり戦況を変えるじゃないですけど、大きく変わってくる。足でかき回すより、ホームランを打てる人が打ってほしいっていう話です」
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