【ドラフト2024】DeNA得意の「隠れた逸材」発掘で、Aクラス常連→優勝を狙えるチームへ (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko

 さらに今春のリーグ戦は今ひとつだった超大型サウスポーの田代涼太(帝京→創価大/投手/189センチ・96キロ/左投左打)が、失点しない投球を取り戻しつつある。打者のタイミングを外しながら、徹底して低めを突く投球には高い実戦力がある。

 彼らを2位から4位で指名できたら、投手陣の層をよりいっそう厚くすることができるはずだ。

 チーム構成を見渡すと、各ポジション、高校出身の「若手」が少ないように思う。4年目左腕・高田琢登が退団し、来季を期待されていた2年目・森下瑠大も左ヒジをクリーニング手術......。先を見越して、高校生左腕を獲得しておきたい。

 西川歩(山村学園/投手/172センチ・75キロ/左投左打)は、スピン量豊富な140キロ前半の速球が光る正統派左腕。スライダー、チェンジアップを自在に操る送球センスが光る。

 打ちづらさなら、冨士大和(大宮東/投手/186センチ・78キロ/左投左打)だ。長い腕を生かしたスリークォーターはリリースが見えづらく、体感スピードは140キロ後半。体ができてくれば、さらなるスピードアップが期待できる逸材だ。

 今シーズン、7年目の捕手・山本祐大がレギュラーマスクを獲ったが、先輩の伊藤光は来年で36歳、戸柱恭孝が35歳なら、次世代のレギュラー候補・松尾汐恩との間に、もうひとりいると心強い。

 社会人3年目、都市対抗など大舞台の経験も豊富な城野達哉(武生商→中部大→西濃運輸/捕手/179センチ・84キロ/右投左打)に6位指名の「黄金枠」を使ってもいいのではないか。昨年5月のベーブ・ルース杯では驚異の5打席連続本塁打。それでも本人が語るアピールポイントは「スローイングとインサイドワーク」だという。

 プロ野球はいざという時に、しっかりバックアップしてくれる選手がいるチームが強い。そういう意味で、城野の安定感プレ--は絶対にオススメだ。

著者プロフィール

  • 安倍昌彦

    安倍昌彦 (あべ・まさひこ)

    1955年、宮城県生まれ。早稲田大学高等学院野球部から、早稲田大学でも野球部に所属。雑誌『野球小僧』で「流しのブルペンキャッチャー」としてドラフト候補投手のボールを受ける活動を始める。著書に『スカウト』(日刊スポーツ出版社)『流しのブルペンキャッチャーの旅』(白夜書房)『若者が育つということ 監督と大学野球』(日刊スポーツ出版社)など。

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