【ドラフト2024】DeNA得意の「隠れた逸材」発掘で、Aクラス常連→優勝を狙えるチームへ (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko

 今年のドラフト候補のなかでは金丸夢斗(神港橘→関西大/投手/177センチ・77キロ/左投左打)がうってつけの人材に思えるが、競合するのは間違いない。競合覚悟で勝負に出るか、それとも単独でほかの選手を確実に狙うか悩みどころだ。

 DeNAのファームには、育成ルーキーの庄司陽斗が1年目から台頭し、4年目の大器・松本隆之介も制球力がついて、ゲーム後半まで試合がつくれるようになった。左腕の先発タイプは明るい兆しが見えている。

 ここは金丸も捨てがたいが、右の先発タイプでもいいのではないか。

 最速159キロの中村優斗(諫早農業→愛知工業大/投手/176センチ・81キロ/右投右打)は大学生だが、まだまだ伸びしろが期待できる。70〜80%の力感で、サラッと150キロ台を立て続けに投げられる高性能エンジンが頼もしい。下半身主導で投げるコツを覚えたら、高速フォークがさらに生きてくるのは間違いない。

3年春からリリーフとして経験を積んでいる明治大・浅利太門 photo by Sankei Visual3年春からリリーフとして経験を積んでいる明治大・浅利太門 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【隠れた実力派投手】

 今季、外野手の梶原昂希、蝦名達夫が走攻守で実力を伸ばし「1、2番コンビ」を形成。DeNAの新たな武器として、他球団の脅威となっている。ちなみに、彼らはいずれもドラフト6位指名である。今だから言うわけじゃないが、「どうしてどこも指名しなかったのだろう......」と、不思議に思ったものだ。

 梶原や蛯名のように"盲点"みたいになっている選手は、必ずいるものだ。今年は投手で、そういった選手を探してみたい。

 浅利太門(興国→明治大/投手/186センチ・89キロ/右投右打)は、チーム関係者が太鼓判を押す未完の大器。アベレージ140キロ後半の速球とその角度、なにより球質がすばらしい。

 また高校時代から注目されていた寺西成騎(星稜→日本体育大/投手/186センチ・85キロ/右投右打)は最終学年を迎えて、安定感を増している。右ヒジの手術を克服し、ストレート、カーブ、ツーシームとの緩急で打ち損じを誘う。

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