立浪和義が中日でやりたかった野球とはなんだったのか? 里崎智也と五十嵐亮太は「不透明なまま」と厳しい評価 (3ページ目)

  • 長谷川晶一●文 text by Hasegawa Shoichi

里崎 岡林の打率が上がっていないというところが苦しいけど、さっきも名前が出た村松や福永といったところが安定的に試合に出ているし、細川成也は去年と同じような活躍ができている。セカンドの田中も好不調の波はあったけど、実戦でいい経験を積んでいる。オルランド・カリステも一本立ちしてきたし、高橋周平も復活した。確かにいい形ができつつあるだけに、やっぱり「決定力不足」が解消されていないのが大きな問題点だよね。

五十嵐 去年もそうだったけど、チーム打率(.243)は他チームとあまり変わりませんよね。それでも打点が少ないのは単純に、「チャンスに弱い」「ホームランが少ない」から。ピッチャーは、ピンチを作って得点圏にランナーを置いてしまったら、そこから一段ギアを上げるんです。ポイントは、ギアを上げた投手から打てるか、打てないかということ。そこで打てないということは、厳しい言い方になるけど、シンプルに実力不足ということになりますよね。

里崎 チームのホームラン数はリーグ5位の67本。細川ぐらいしか一発が期待できないのは厳しいよね。

■選手がポテンシャルを発揮するために

五十嵐 頼みの綱だった投手陣が、今年はそこまでよくなかったというのもやっぱり痛いですね。

里崎 ただ、リリーフ陣を見ると12球団屈指だよね。そうなると、問題は先発陣。髙橋宏斗がシーズンを通じて好調で、大黒柱へと成長しつつあるのが最大の収穫。小笠原慎之介もいい感じで、松葉貴大もたまに投げる分には頼りになる。

 懸念としては、昨年まで大黒柱だった柳裕也、実績のある涌井秀章、そして大野雄大がケガから復帰後は本調子ではないこと。それとウンベルト・メヒアが去年のイメージどおりに働いてくれないとか......意外と多いな(笑)。

五十嵐 セーブ王争いをしているライデル・マルティネス、ホールド王のタイトルを狙える松山晋也、清水達也とリリーフ陣は万全なので、本当に先発陣だけですよね。打撃陣が今ひとつならば、抑えて勝つしかないわけだから。

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