プロ野球ファンクラブの「充実度ベスト3」はどこ? 全12球団に20年間入り続けた男が認定!

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by Sportiva

 世界でただひとりの「12球団ファンクラブ評論家(R)」(※自称ではなく特許庁に商標登録済み)である長谷川晶一(54歳)。誰に頼まれたわけでもないのにプロ野球セ・パ両リーグ全球団のファンクラブに、それも20年にわたって入り続けるという不可解な活動を実践する怪人物は、なぜこのような暴挙(?)に出て、そこから何を得ているのだろうか。(文中敬称略)

 12球団ファンクラブ生活×20年の戦利品(の一部)を誇示する長谷川氏 12球団ファンクラブ生活×20年の戦利品(の一部)を誇示する長谷川氏この記事に関連する写真を見る* * *

 スポーツやサブカル分野に通じたノンフィクション作家でもある長谷川が、12球団すべてのファンクラブ会員となったのは2005年。その前年に、ある"不信感"を抱いたことがきっかけだった。

シーズン前、長谷川のもとに東京ヤクルトスワローズのファンクラブから会員特典の段ボール箱が届くと、彼は小さな疑問を抱いた。子どもの頃からヤクルトファン。ファンクラブに入会して年会費を納めることは習慣となっていたが、当時33歳の成人男性があらためて特典のお守りや缶バッジ、ポストカードなどを手にしてみると、なんの感動も興奮もなく、まったく魅力が感じられなかったのだ。

この2004年シーズン、プロ野球では「2リーグ12球団制」から「1リーグ10球団制」に移行しようと画策する動きが表面化した。この「球界再編騒動」は選手会によるストなどを経て、最終的には近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブが合併し、新たに東北楽天ゴールデンイーグルスが誕生。さらに福岡ダイエーホークスが福岡ソフトバンクホークスに変わって収束したが、一方で「真のファンサービスとは何か?」が盛んに議論されるようになった。

「わざわざファンクラブに入会しなくてもいいのかな?」

 初めて我に返ると同時に、「でも他球団のファンクラブはどんな特典なのだろうか?」という疑問が芽生え、「だったら、全球団のファンクラブに入会して比較してみればいいんじゃないか?」との乱暴な結論に至ったというわけだ。

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プロフィール

  • 宮崎俊哉

    宮崎俊哉 (みやざき・としや)

    ライター。1962年8月5日生まれ、東京都出身。レスリング取材歴31年。1996年アトランタ大会からすべてのオリンピックを現地取材。著書に『京子! アテネへの道』(ぴあ)、『京子! いざ!北京』(阪急コミュニケーションズ)など。構成として吉田沙保里の『明日へのタックル!』(集英社)、『一日一日、強くなる~伊調馨の「壁を乗り越える」言葉(講談社)など。

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