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プロ野球ファンクラブの「充実度ベスト3」はどこ? 全12球団に20年間入り続けた男が認定! (4ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by Sportiva

 毎年送られてくる大量の段ボール箱に居住空間を奪われながら、長谷川は「いつまでこの生活を続けようか?」と自問自答することもあるという。誰かから強制されているわけでも、命令されているわけでもなく、やめようと思えばいつでもやめられる。でも、20年が経過した今でも自信を持って「楽しい」と言うことができる。ちなみに、20年間、のべ240年分の会費総額は216万2685円とのこと。

2024年秋、「12球団ファンクラブ評論家(R)」の長谷川晶一は、早くも手続き可能な6球団の2025年ファンクラブ入会申込みを終えている。

  『プロ野球12球団ファンクラブ全部に20年間入会してみた!』(集英社)

 快挙か? 暴挙か? 太っ腹か? やせ我慢か? 2004年からプロ野球12球団すべてのファンクラブに入会。

 そのまま全部に入り続けて、ついに20年を突破!

 いったい何のために? 仕事は大丈夫なのか? いくらブッ込んでいるんだ? 巻き込まれる家族の立場は? 周囲からの心配をものともせず我が道を貫き通し「12球団ファンクラブ評論家」の商標登録までする著者を見て、同じように12球団ファンクラブ全部に入会を続ける「トゥエルバー」なるフォロワーたちも次々と登場した。

 予期せず発生するアクシデントを記した「ファンクラブ事件簿」。 各球団が知恵を絞って製作した特製ユニフォームやノベルティグッズから厳選した「レジェンド級の名品・逸品」。 また、知恵を絞って製作したにもかかわらず、何でこうなってしまったのかと首を傾げずにいられない「奇天烈な珍品グッズ」も毎年どんどん増えていく……。

 幻の「ライブドアフェニックス」グッズ あの頃を思い出させる「コロナ対策」ノベルティ ファンクラブグッズだけでの日常生活やコーディネート 独特のセンスが光る広島の歴代オリジナルユニフォーム 10万円以上を支払う「プレミアム会員」の価値……などなど カラーを含む400ページに収録した写真・コラムがプロ野球12球団ファンクラブの変遷を雄弁に物語る。

 全12球団×20年分すべての「ファンクラブ通信簿」で各球団のファンサービス充実度を忖度なしにガチ評価。 20年間の長きにわたり、膨大なエネルギーと年会費を投じ、時間と居住スペースを犠牲にして得たものとは何だったのか? 試合観戦とは違うプロ野球の楽しみ方がここにある!

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【著者略歴】

長谷川晶一 (はせがわ しょういち) 1970年生まれ。東京都出身。ノンフィクション作家&世界でただ一人の12球団ファンクラブ評論家(R)。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経てフリーに。 野球を中心としたスポーツ、サブカルの分野で緻密な取材を元に数多くの作品を執筆。 主な著書に「詰むや、詰まざるや 森・西武vs野村・ヤクルトの2年間」(双葉文庫)、「いつも、気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ『9つの系譜』」(集英社)、「中野ブロードウェイ物語」(亜紀書房)など多数。

著者プロフィール

  • 宮崎俊哉

    宮崎俊哉 (みやざき・としや)

    ライター。1962年8月5日生まれ、東京都出身。レスリング取材歴31年。1996年アトランタ大会からすべてのオリンピックを現地取材。著書に『京子! アテネへの道』(ぴあ)、『京子! いざ!北京』(阪急コミュニケーションズ)など。構成として吉田沙保里の『明日へのタックル!』(集英社)、『一日一日、強くなる~伊調馨の「壁を乗り越える」言葉(講談社)など。

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